22.2.27 ヨコスカ平和船団同乗記

原子力空母と原子力潜水艦が並んだ横須賀基地


ヨコスカ平和船団が掲げた、ロシアによるウクライナ軍事侵攻抗議の横断幕

2月最後の日曜日、2月27日にヨコスカ平和船団のボートとヨットの2隻が横須賀軍港を走った。

この日、ヨコスカ平和船団は横断幕を掲げて、ロシアによるウクライナ軍事侵攻への抗議の意思表示をした。


13号バース(左側)に原子力潜水艦ノース・カロライナ。12号バース(右側)に原子力空母ロナルド・レーガン。2隻の原子力艦船が停泊している。

12号バースでは、原子力空母ロナルド・レーガン(RONALD REAGAN CVN76)の定期修理が続いている。
米軍画像サイトDVIDSには、今回の定期修理で甲板上のカタパルトのメンテナンスを行っているという写真も掲載されているが、飛行甲板に穴を開けてパイプを取り出す大規模な修理工事は2月末になっても行われていないように見える。
飛行甲板に穴を開ける大規模工事が行われていなければ、定期修理の途中でも短期間で出動することができる。

原子力空母の隣の13号バースには、2月25日から3月1日にかけて原子力潜水艦ノース・カロライナ(NORTH CAROLINA SSN777)が接岸し、日本政府が原子炉のチェックをしない原子力艦船が2隻並んだ。ノース・カロライナには、秘密裏に上陸して工作活動を展開する特殊部隊のためのドライ・デッキ・シェルターとみられる物体が取り付けられていた。


ハーバー・マスター・ピアに停泊する駆逐艦デューイ(左側)とベンフォールド(右側)

2月25日の夕方の時点では横須賀に停泊していた駆逐艦バリー(52番の船)。27日にはいなくなっていた。(22.2.25 星野 撮影)
2月24日、錨地で弾薬の積み込み作業を行っていると見られる駆逐艦ヒギンズ。その後、26日の16時過ぎに錨地から外洋に出ていった。(22.2.24 星野 撮影)
駆逐艦ミリウス。翌日の2月28日に横須賀を出港した。

ハーバー・マスター・ピア(HMP)の西側に、2月前半に日米合同軍事演習ノーブル・フュージョンに参加するなど、東シナ海や南シナ海、フィリピン海で中国を牽制する活動を続けていた駆逐艦デューイ(DEWEY DDG105)が停泊していた。デューイは、2月3日には海上自衛隊の補給艦「ましゅう」から洋上補給を受けている。

横須賀を母港とする軍艦では、駆逐艦ラルフ・ジョンソン(RALPH JOHONSON DDG105)も2月中、主に南シナ海などで活動を続けていて、2月27日も横須賀には不在だった。ラルフ・ジョンソンは、2月26日には台湾海峡を北上する作戦行動を展開した。

デューイとラルフ・ジョンソン以外の横須賀母港艦船は、2月後半までは横須賀基地に停泊していたのだが、ヨコスカ平和船団が港を走った2月27日の前後から新たに出港する動きが見られるようになった。
まず、巡洋艦アンティータム(ANTIETAM CG54)が、2月25日に出港した。
2月25日までは横須賀にいたことが確認されている駆逐艦バリー(BARRY DDG52)も、27日には姿を消していた。
2月22日から横須賀沖の錨地に出ていた駆逐艦ヒギンズ(HIGGINS DDG76)は錨地で弾薬などを積み込み、26日の夕方に浦賀水道を出ていった。
2月23日に一旦横須賀に戻ってきていたデューイも、28日には再び出港した。
同じ28日には駆逐艦ミリウス(MILIUS DDG69)も出港している。


浦郷弾薬庫にミサイルが多数、野積みされていた。

吾妻島に接岸するタンカー、マースク・ミシガン。喫水が上がっており、タンクは空っぽのようだ。

平和船団が横須賀を走った2月27日の昼頃に、米軍の燃料貯油施設である吾妻島の桟橋に、米国船籍のタンカー、マースク・ミシガン(MAERSK MICHIGAN)が接岸した。
マースク・ミシガンの喫水は上がっており、タンクは空っぽのようだった。吾妻島で油を積み込んで運び出すのだろう。
マースク・ミシガンは翌28日に出港し、3月3日に韓国のウルサンに入港している。

(RIMPEACE編集部 星野 潔) (撮影の日付を特に記入した写真以外は、22.2.27 星野 撮影)


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