原子力空母、試験航海から横須賀に戻る


5月17日、横須賀基地に向かう原子力空母ロナルド・レーガン(22.5.17 ヨコスカ平和船団 撮影)

横須賀基地に入港するレーガン(22.5.17 木元茂夫 撮影)

12号バースに入るために向きを変えている(22.5.17 木元茂夫 撮影)

12号バース手前での、レーガンの方向転換を別の角度から撮影したもの。(22.5.17 非核市民宣言運動ヨコスカ 撮影)

5月17日、原子力空母ロナルド・レーガン(RONALD REAGAN CVN 76)が横須賀基地に戻ってきた。レーガンは、横須賀での定期修理を終えて5月8日に試験航海に出港していた。

今回の航海は約9日間だった。試験航海としては比較的長い航海だった。
米軍の画像サイトDVIDSには、泡消火剤を使う訓練や機銃の射撃訓練、投錨の訓練など、今回の試験航海中に行われた訓練の写真がいくつか掲載されている。
それらを見て気になることの一つは、5月8日の出港直後と見られる、東京湾内で投錨訓練を行ったとされる写真が掲載されていることだ。横須賀基地を出港した直後に東京湾内で投錨訓練を行ったということが事実であれば、浦賀水道周辺でそれを行ったということだろう。以前も金田湾沖でレーガンが投錨していたという目撃証言もある。
交通量の極めて激しい浦賀水道で、巨大船である原子力空母が投錨訓練を行うことは非常に危険なことだ。


5月12日、隊列を組んでレーガンと共同訓練を行う海自護衛艦「てるづき」(手前)と巡洋艦アンティータム(後方)。
米軍画像サイトDVIDS記事「USS Ronald Reagan (CVN 76) PHOTOEX with USS Antietam and Japanese Navy」
(https://www.dvidshub.net/image/7199512/uss-ronald-reagan-cvn-76-photoex-with-uss-antietam-and-japanese-navy)より引用

5月17日、横須賀に入港するレーガンの後ろに護衛艦「てるづき」が見える。(22.5.17 木元茂夫 撮影)

また、レーガンの試験航海中の5月12日に、海上自衛隊の護衛艦「てるづき」と米海軍巡洋艦アンティータム(ANTIETAM CG 54)がレーガンと共同訓練で隊列を組んでいる写真もDVIDSに掲載されている。
少なくともこの訓練が5月12日には、レーガンの艦橋の操舵室に海上自衛隊の幹部とみられる隊員がいたことを示す写真も、navy.milに掲載されている。
「てるづき」は、5月8日の原子力空母の試験航海出港直前に横須賀を出港し、5月17日のレーガンの帰港直前に「露払い」をするかのように横須賀に帰港した。
他方、米巡洋艦アンティータムは、レーガンにずっと張り付いていたわけではなく、5月13日には横須賀に帰港している。
防衛省は今回のレーガンの横須賀帰港後、5月8日〜16日まで「てるづき」などがレーガンやアンティータムと共同訓練を実施したと発表しているが、今回のレーガンの試験航海では、海自護衛艦「てるづき」が、米海軍原子力空母に随伴して護衛する役割を担っていたということだろう。
昨年5月のレーガンの試験航海の際には、海自のイージス護衛艦「まや」が護衛についていた。原子力空母を海上自衛隊が護衛する、という姿が定着してしまったようだ。

レーガンの試験航海中の5月10日には、弾薬補給艦アメリア・イア・ハート(AMELIA EARHART T-AKE 6)が横須賀の錨地にやって来て、12日に出航していった。DVIDSに掲載された画像によると、この補給艦は横須賀出港後、5月15日にレーガンへの補給を行った。

横須賀市の発表に依れば、レーガンは5月20日の午前11時過ぎに横須賀を出港するのだという。この出港は、おそらく本格的な任務航海のためのものだろう。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


5月11日、横須賀基地沖の錨地に停泊する弾薬補給艦アメリア・イア・ハート(22.5.11 非核市民宣言運動ヨコスカ撮影)


5月15日、補給を行うために原子力空母ロナルド・レーガンと並走する弾薬補給艦アメリア・イア・ハート。
米軍画像サイトDVIDS記事「USS Ronald Reagan (CVN 76) Conducts Replenishment-At-Sea with USNS Amelia Earhart (T-AKE 6)」
(https://www.dvidshub.net/image/7199674/uss-ronald-reagan-cvn-76-conducts-replenishment-sea-with-usns-amelia-earhart-t-ake-6)より引用。


2022-5-20|HOME|