海自護衛艦、米軍吾妻島燃料桟橋に接岸


米軍横須賀基地の吾妻島燃料桟橋に接岸した護衛艦「ゆうぎり」(22.5.24 ヨコスカ平和船団 撮影)

5月24日、米軍横須賀基地の吾妻島燃料桟橋に海上自衛隊の護衛艦「ゆうぎり」(DD-153)が接岸した。

米軍横須賀基地の吾妻倉庫地区は、艦船燃料や航空機燃料の貯蔵・補給を行う貯油施設だ。東日本などにおける米軍の燃料供給のハブとなっていて、韓国のウルサンから燃料を運んできたり、八戸やクワジェリンなどに燃料を運んだりする、米軍がチャーターしたタンカーが頻繁に接岸している。


今年4月28日、吾妻島燃料桟橋に接岸する米軍チャーターの民間タンカー「ポハン・パイオニア」(22.4.28 星野 撮影)

しかし、頻繁に接岸するのはタンカーであって、それ以外の艦船が接岸することはあまりない。
とりわけ今回のように、海上自衛隊の護衛艦が米軍の吾妻島燃料桟橋に接岸したのは極めて異例なことだ。確かに海自の補給艦が接岸したことはあったが、それも希なことだ。
海自の護衛艦のこの桟橋への接岸は、これまで見たことがない。

吾妻島燃料桟橋に接岸したということは、吾妻島の燃料タンクに蓄えられている米軍の燃料を護衛艦「ゆうぎり」に積み込んだということだろう。

この米軍燃料桟橋で、今回のような使い方が今後、繰り返されていくのだろうか。
米軍が自衛隊に燃料を供給し、自衛隊の護衛艦が米軍の盾となって行動するということなのだろうか。
なぜ、「ゆうぎり」が吾妻島で燃料を積み込んだのか、その意図は今のところ全く不明だが、少なくとも、「日米軍事一体化」の一つの現れと見ることはできるだろう。

なお、海上自衛隊は、横浜港の民間施設、大東タンクターミナルで、補給艦への燃料補給を近年頻繁に行うようになっている。
5月16日にも、補給艦「ときわ」が大東タンクターミナル5号岸壁で給油を行った。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


5月16日、雨の中、横浜港の大東タンクターミナル5号岸壁に接岸した海上自衛隊の補給艦「ときわ」(22.5.16 星野 撮影)


2022-5-29|HOME|