22.5.29 ヨコスカ平和船団同乗記

強襲揚陸艦トリポリ、横須賀初入港


横須賀基地の12号バースに停泊する強襲揚陸艦トリポリ

5月29日、横須賀基地をヨコスカ平和船団のヨットとボートが走った。

5月20日に原子力空母ロナルド・レーガンが任務航海に出港した直後に、5月21日から26日にかけて原子力空母エイブラハム・リンカーンが寄港していた横須賀基地だが、今度は29日の朝に、強襲揚陸艦トリポリ(TRIPOLI LHA-7)がやってきた。


5月29日の朝、横須賀基地に入港する強襲揚陸艦トリポリ(22.5.29 木元茂夫 撮影)

トリポリは、短距離離陸垂直着陸(STOVL)機であるF35B戦闘機を少なくとも14機は積んで、実質的に「STOVL空母」として運用する形態で横須賀に入港した。まさに、「空母」の「入れ替わり立ち替わり」の横須賀連続入港だ。

サンディエゴを母港とするトリポリは、2020年に就役したばかりのアメリカ級強襲揚陸艦の2番艦だ。
今回トリポリは、「surge deployment」(実質的に「空母」の役割を果たす艦船の「増派」というような意味か)のために5月2日にサンディエゴを出港して、第7艦隊の担当範囲に派遣されてきた。
5月20日から22日にかけては、岩国基地に入港している。
岩国入港時には、飛行甲板上に戦闘機の姿はなかった。
しかし、5月29日の横須賀入港時には、飛行甲板の前方に左右7機ずつ、計14機のF35B戦闘機を並べていた。


トリポリの飛行甲板上にはF35B戦闘機が並んでいる


F35Bは左右に7機ずつ、並んでいた



F35Bの垂直尾翼には「VK」のテイルコードと「USS TRIOLI」の文字が見える。機体下部には、「VMFA-121」の文字が。

トリポリの飛行甲板上に並ぶF35Bの垂直尾翼には、「VMFA-121」(海兵第121戦闘攻撃中隊)所属機であることを表す「VK」のテイルコードが描かれ、機体下部にも「VMFA-121」の文字が並んでいる。
VMFA-121は、海兵隊岩国航空基地に配属されている部隊だ。しかし、今回横須賀に入港した、サンディエゴを母港とするトリポリの飛行甲板上に並べられたF35Bの垂直尾翼には、トリポリに派遣される機体であることを示す「USS TRIPOLI」の文字が記されていた。

トリポリが5月20日に岩国に入港した時には、戦闘機を「降ろした」状態、つまり戦闘機を積んでいない状態だった。しかし、横須賀には、VMFA-121のF35Bを少なくとも14機積んで入港した。
とすると、トリポリは岩国でVMFA-121のF35Bを積んだということなのだろうか。そして、これからしばらく東アジア周辺で「STOVL空母」としての活動を行おうとしているのだろうか。

5月2日にサンディエゴを出港し、5月20日から22日まで岩国に寄港していたトリポリが今回横須賀に入港した理由は何なのだろうか。「休養」や「補給」の必要が差し迫っていたという訳では無いだろう。
5月29日の横須賀基地には、空母化のための第1回改装を既に終えている海上自衛隊の「いずも」も停泊していた。
「日米軍事一体化」がとめどなく進行し続けている中で、トリポリに載せられたVMFA-121のF35Bを使った、米軍と「いずも」の共同演習の実施が狙われてはいないだろうか。

(RIMPEACE編集部 星野 潔) (撮影者を明記した写真以外は、22.5.29 星野 撮影)


横須賀基地に停泊する海上自衛隊の「いずも」

6号ドックでの駆逐艦ストックデールの修理工事は、まだ続いている

5月22日に護衛艦「じんつう」に衝突される事故のあった海上自衛隊の掃海母艦「うらが」は、29日も長浦港に停泊していた。「じんつう」は既に出港している


ヨコスカ平和船団乗船希望者は、ようこそ!ヨコスカ平和船団へにアクセスして、申し込んで下さい。 毎月最後の日曜日に平和船団の船が軍港を走ります。


2022-5-30|HOME|