横須賀に戻ってきていた駆逐艦バリー


2月25日、横須賀の錨地に停泊する駆逐艦バリー(23.2.25 星野 撮影)


2月26日も錨地に停泊していたバリー(23.2.26 星野 撮影)


2月17日に米国へ帰還したと横須賀市が発表していた駆逐艦バリー(BARRY DDG 52)が2月25日から27日の朝にかけて、横須賀の錨地に戻ってきていた。

もちろん、わずか1週間ほどの間に、バリーが米国に帰還して再び横須賀まで戻ってきた訳では無い。実はこの間、バリーは米国へ帰還などしてはいなかった。

海上自衛隊の自衛艦隊HPに掲載された情報によれば、2月22日、バリーは、イージス艦の海自護衛艦「あたご」や韓国の駆逐艦「世宗大王」とともに日本海で「日米韓共同訓練」を実施したという。朝鮮半島の北部を威嚇する行動を行ったということだろう。

また、海上自衛隊HPの2月24日付け「お知らせ」によれば、上記の「日米韓共同訓練」と同じ2月22日に、海自補給艦「ましゅう」がバリーに洋上補給を行ったという。この洋上補給について海上自衛隊は、「日米同盟の抑止力・対処力を強化すべく」「海上自衛隊の戦術技量及び米海軍との相互運用性の向上」を目的として行った「日米共同訓練(ILEX23−2)」なのだと仰々しく説明している。
「ましゅう」からバリーに補給したモノは、税金で購入したモノのはずだが、タダで米軍にあげたのだろうか、それとも代金はしっかり徴収するのだろうか。

それはともかく、日本海で演習をするために横須賀を出港したことを、「米国へ帰還」したとは言わない。
にもかかわらず、防衛省・自衛隊は、バリーが「米国へ帰還」するのではなく、日本海での演習に向かうことを知っていながら、「2月17日」にバリーが「米国へ帰還」したと横須賀市に連絡したことになる。これは一体どういうことなのか?

駆逐艦バリーは2月27日の朝に、横須賀の錨地から浦賀水道を経由して太平洋に出て行った。今度は「米国へ帰還」する出港なのだろうか?

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


2月17日にバリーが米国へ帰還したという、横須賀市の発表(横須賀市HPより引用)


2月22日に日本海でバリーが「日米韓共同訓練」に参加したことを伝える自衛艦隊HPの記事(自衛艦隊HPより引用)


2月22日に日本海で海自補給艦「ましゅう」がバリーに洋上補給を行ったという海自の「お知らせ」(海上自衛隊HPより引用)


2023-2-27|HOME|