空母ニミッツ打撃群の駆逐艦、横須賀寄港


「93」と書かれた船体が、2月27日、横須賀に寄港した駆逐艦チャンフーンだ



チャンフーンは、6号バースに接岸した。後ろには12号バースの原子力空母ロナルド・レーガンが見える(23.2.27 星野 撮影)


2月27日、駆逐艦チャンフーン(CHUNG-HOON DDG 93)が横須賀基地に入港した。

パールハーバーを母港とするチャンフーンの横須賀寄港は、2009年2月、2010年10月、2011年10月、2013年8月、2016年2月に次いで6回目とみられる。

チャンフーンは、すでに2月25日には東京湾の入り口近くに現れており、27日の入港まで近海で待機していたようだ。
27日の朝に駆逐艦デューイ(DEWEY DDG 105)が横須賀を出港して、空いた6号バースにチャンフーンは接岸したので、25日から27日の朝まではバースが空くのを待っていたということだろうか。

今回、チャンフーンは、昨年12月1日にパールハーバーを出港して西太平洋、東アジア、東南アジアの海域にやってきた。
USNI NEWSによれば、原子力空母ニミッツ(NIMITZ CVN 68)、巡洋艦バンカーヒル(BUNKER HILL CG 52)、駆逐艦ウェイン・E・マイヤー(WAYNE E. MEYER DDG 108)、ディケーター(DECATUR DDG 73)、ポール・ハミルトン(PAUL HAMILTON DDG 60)とともに原子力空母ニミッツ打撃群、すなわち第11空母打撃群(Carrier Strike Group 11)を構成しての任務航海だ。

同じUSNI NEWSは、チャンフーンなど今回の第11空母打撃群を構成している駆逐艦群をDESRON 9(第9駆逐戦隊: Destroyer Squadron 9)と呼んでいる。
確かに、横須賀に入港したチャンフーンの側面には、DESRON 9のエンブレムが掲げられている。
もともとDESRON 9は、米国のエバレット海軍基地を拠点としていて、通常はエバレットを母港とする駆逐艦が構成する部隊のはずだ。
だが今回、ニミッツの随伴艦を務めている駆逐艦は、チャンフーンを含めいずれもエバレット以外の港を母港としている軍艦だ。ウェイン・E・マイヤーの母港は、チャンフーンと同じパールハーバーであり、ディケーターとポール・ハミルトンはサンディエゴだ。ついでに述べておくと、巡洋艦バンカーヒルもサンディエゴが母港だ。
ということは、普段はエバレット以外を母港とする駆逐艦でも、ニミッツ打撃群の一員となると、DESRON 9になるということだろうか。

それはともかく、駆逐艦チャンフーンも一員となっている原子力空母ニミッツ打撃群は、横須賀で定期修理入りした原子力空母ロナルド・レーガンの代わりに中国を牽制する活動を行うために、東アジア周辺にやってきたということだろう。

その活動の一環として、チャンフーンは1月5日に台湾海峡の通過を実施した。
こうした軍事的緊張を高める行動をわざわざ行うことによって、万一にも衝突が起きた場合、東アジア周辺地域の人びとに重大な被害が生じることになるだろう。その責任を、いったい誰がどのように取ることができるというのだろうか。

そうした危険な活動の拠点として、横須賀は使われているのだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


横須賀に入港したチャンフーンの側面には、DESRON 9のエンブレムが取り付けられている(23.2.28 木元 茂夫 撮影)


ヴェルニー公園からも、チャンフーンの姿やDESRON 9のエンブレムを確認できる(23.2.28 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)


2023-3-1|HOME|