23.3.26 ヨコスカ平和船団同乗記

原子力空母を含む13隻の米艦がひしめく横須賀基地


12号バースで原子力空母ロナルド・レーガンの定期修理が続いている


前回、2月の平和船団の時と比べると、艦橋やマスト周辺の足場や覆いが取り外されていた


左舷後方のエレベーターが下がった状態だった

3月26日、雨のなか、ヨコスカ平和船団のボートが横須賀基地を走った。

12号バースでは原子力空母ロナルド・レーガンの定期修理が続けられていたが、先月の2月26日と比べると、艦橋や艦橋上部のマスト周辺の覆いや足場は既に取り去られていて、修理作業が後半になっていることを物語っていた。

横須賀を母港とする米艦船で3月26日に不在だったのは、駆逐艦ラルフ・ジョンソン(RALPH JOHNSON DDG 114)とミリウス(MILIUS DDG 69)の2隻だった。

さらに、サンディエゴを母港とする巡洋艦バンカーヒル(BUNKER HILL CG 52)も、3月24日から横須賀基地の7号バースで巡洋艦アンティータム(ANTIETAM CG 54)に横付けして停泊していた。

つまり、3月26日に横須賀基地内には、この時点での横須賀母港艦船14隻のうちの12隻+外来艦1隻の13隻の米軍艦がひしめいていた。

不在だった横須賀母港艦の2隻のうち、駆逐艦ミリウスは、3月23日に南シナ海のパラセル諸島(西沙諸島)付近で「航行の自由作戦」を行っている。
海上自衛隊の発表によれば、その翌日の3月24日と25日には、ミリウスは同じ南シナ海で海自護衛艦「きりさめ」や米駆逐艦チャンフーン(CHUNG-HOON DDG 93)と合同演習を行った。
横須賀母港の駆逐艦ミリウスとともに、実質的に海自護衛艦も南シナ海で中国に対する示威行動を行っているということだろう。

他方、不在だったもう1隻の駆逐艦のラルフ・ジョンソンは、3月22日にグアムに現れたようだ。

ところで、横須賀に寄港していた外来巡洋艦のバンカーヒルは、原子力空母ニミッツ(NIMITZ CVN 68)の随伴艦として東アジア周辺にやって来ているはずなのだが、今回の任務航海中の横須賀寄港は、今年1月28日から2月23日までの滞在に次いで2回目となった。ニミッツから離れて単独で繰り返し横須賀に寄港しているのは、どうしてなのだろうか。

バンカーヒルなどが随伴していることになっている原子力空母ニミッツは、3月26日には大隅海峡を西進し、東シナ海に入ったようだ。
米軍画像サイトDVIDSや海上幕僚部の発表によれば3月23日から26日にかけて、太平洋から東シナ海の海域で原子力空母ニミッツ打撃群と海自ヘリ空母「いせ」や陸上自衛隊西部方面隊などが共同軍事演習を行っている。この演習では、海自隊員が原子力空母ニミッツに乗り込んだようだ。
海幕の発表に挙げられている陸自西部方面隊がこの演習でどのような役割を果たしたのかは不明だ。

DVIDSの3月27日付けの記事「NIMCSG, JMSDF Conduct Bilateral Maritime Exercise」によれば、ニミッツ空母打撃群の今回の任務航海で海自と合同演習をするのはこれが2回目だ。前回の2月22日の演習の際には、米海軍第9駆逐戦隊(DESRON9)の司令官が護衛艦「あさぎり」に乗り込んで作戦計画会議を行ったという。

なお、横須賀基地の状況に話を戻すと、2月26日の平和船団の際には、長浦港に1隻いただけだった海上自衛隊の潜水艦が、3月26日には長浦港と米軍基地を合わせて5隻になっていた。海自潜水艦の多くが任務航海に従事していた2月後半の状況が変化したということだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔) (23.3.26 星野 撮影)


先月と同じく、新桟橋には駆逐艦ハワード(DDG83)が停泊中


4号ドックでは、駆逐艦ヒギンズ(DDG76)の大規模工事が続いている


ハーバー・マスター・ピアの西側(HMP-W)に巡洋艦ロバート・スモールズ (ROBERT SMALLS CG62)が停泊中


CG62は、2月の平和船団の時まではチャンセラーズビル (CHANCELLORSVILLE)という名前だったが、2月27日に改名が発表された。
南北戦争における南軍が勝利した戦いにちなんだ名前から、著名なアフリカ系アメリカ人の政治家の名前への変更だ


ハーバー・マスター・ピア東側(HMP-E)には駆逐艦シャウプ(DDG86)とデューイ(DDG105)とラファエル・ペラルタ(DDG115)が並んでいた
翌3月27日の午後にはデューイは横須賀を出港し、ラファエル・ペラルタは錨地に出た


6号バースには横須賀に配備されて間もない駆逐艦ジョン・フィン(DDG113)と巡洋艦シャイロー(CG67)が停泊していた


7号バースに巡洋艦アンティータム(CG54)と、ニミッツ空母打撃群の巡洋艦バンカーヒル(CG52)が並ぶ


8号バースに駆逐艦ベンフォールド(DDG65)が、9号バースに第7艦隊旗艦、指揮艦ブルーリッジ(LCC19)が停泊


長浦港に並んでいた3隻の海自潜水艦


米軍基地の1号バースにも2隻の海自潜水艦が並んでいた


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