原潜ハンプトン、横須賀入港


横須賀基地に入港した原潜ハンプトン(22.4.4 木元 撮影)

4月3日、原子力潜水艦ハンプトン(HAMPTON SSN 767)が横須賀基地に入港し、13号バースに接岸した。
外務省からの横須賀市への通知によれば、寄港目的は「休養・補給・維持」だ。

外務省から横須賀市に入港通知があったのは、横須賀市の発表によれば3月31日。しかし、横須賀市がHPで入港を発表したのは、4月3日のハンプトンの入港後のことだ。
しかも、4月6日になっても、なぜか横須賀市HPの「報道発表資料一覧(2023年4月)」のページからはリンクされていない場所にハンプトンの入港情報は掲載されており、市民の目には付きにくい状態が続いている。意図的にそのようにしているのか、単なるミスなのかは不明だが。

外務省から通知を受けたにもかかわらず、ハンプトンの入港まで約3日間、横須賀市は情報を公表しなかった。
いったん事故を起こせば大きな被害が及ぶ可能性のある原子力艦船の入港だ。寄港の情報を入手したらすみやかに公表して注意を喚起することこそ、住民の安全を守る自治体の任務ではないのか。

ところで、原潜の横須賀寄港は今年3回目だ。
今回のハンプトンの前の2回の寄港はいずれも、グアムを母港とする原潜アナポリス(ANNAPOLIS SSN 760)が、3月10日と17日にそれぞれ「補給・維持」と「病人の移送」の名目で錨地に20分に満たない短時間、沖泊まりしたものだ。
基地内のバースへの原潜の接岸は、ハンプトンが今年初めてだ。

ハンプトンは、これまで横須賀に、2009年1月から2月にかけて、2013年9月、2015年6月、2019年12月から2020年1月にかけて、2021年9月の、計5回寄港しており、今回で6回目の横須賀だ。

今回、ハンプトンは、母港のサンディエゴを現地時間の昨年12月14日に出港して東アジア周辺にやって来たようだ。
1月26日には沖縄のホワイトビーチの桟橋に7時間ほど接岸している。ホワイトビーチの桟橋への原潜の接岸は、2018年1月以来のことだったようだ。

横須賀でハンプトンが接岸したのは、原潜の「指定席」の13号バースだが、隣の12号バースでは原子力空母ロナルド・レーガンが停泊中だ。
原子力空母ロナルド・レーガンの2つの原子炉と合わせて、日本政府の規制すら及ばない3つの原子炉が東京湾内、横須賀基地に浮かんでいる、ということだ。

12号バースの原子力空母ロナルド・レーガンの定期修理は間もなく終わり、来週にも放射性廃棄物運搬船が13号バースに接岸する見込みだ。
放射性廃棄物運搬船が横須賀にやって来る前には、ハンプトンは再び横須賀を出て行くはずだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


13号バースに停泊する原潜ハンプトンの後舵と艦橋がみえる(23.4.6 星野 撮影)


13号バースのハンプトンの隣の12号バースには、原子力空母ロナルド・レーガンが停泊中だ(23.4.6 星野 撮影)


原子力空母ロナルド・レーガンの飛行甲板上はだいぶ片付いてきていて、定期修理が間もなく終了することをうかがわせる(23.4.6 星野 撮影)


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