放射性廃棄物運搬船、横須賀に入港
4月14日の夜、13号バースに停泊する貨物船SLNCヨーク。この日の午後、横須賀に入港した
SLNCヨークの隣の12号バースには、原子力空母ロナルド・レーガンが停泊している(23.4.14 星野 撮影)
4月14日の午後、横須賀基地に米国船籍の貨物船、SLNCヨーク(SLNC YORK)が入港し、13号バースに接岸した。
横須賀基地の12号バースでは、原子力空母ロナルド・レーガン(RONALD REAGAN CVN 76)の定期修理が今年1月から行われていた。SLNCヨークは、この定期修理で排出された放射性廃棄物を米本土へと運搬するためにやって来たものとみられる。
原子力空母の定期修理で放射性廃棄物が発生するということは、1964年の日米両政府の交換公文(エード・メモワール)に違反して、原子力艦の動力装置の修理が日本国内で行われたということだ。
また、放射性廃棄物を原子力空母から貨物船に積みかえるということは、放射性廃棄物を日本では艦外に排出しないという約束にも違反するということだ。
横須賀市が米軍からの情報提供として発表したところによれば、4月20日、放射性廃棄物を原子力空母ロナルド・レーガンの艦外に出して、SLNCヨークに積み込む作業が行われる。
日米両政府の公的な約束を破る危険な行為を行うことを米軍が公然と表明しているのに、日本政府も横須賀市も、神奈川県もそれを止めようとしない。恐るべき状況だ。
市民の安全を守るよりも、ひたすら米軍に従うことが自分たちの仕事だと心得ているのだろうか。
(RIMPEACE編集部 星野 潔)
4月3日から12日にかけて、13号バースには原潜ハンプトン(SSN 767)が入港していた
原潜ハンプトンと原子力空母の間に設置されている大型クレーンを使って、原子力空母から艦外に出された放射性廃棄物のSLNCヨークへの積みかえが行われる(23.4.9 星野 撮影)
2023-4-15|HOME|