原子力空母の放射性廃棄物、横須賀で貨物船に搬出


原子力空母の艦外に出された放射性廃棄物入りコンテナをクレーンで吊り下げて、貨物船SLNCヨークに移す作業が行われている


レーガンのエレベーター上に引き出されてきた放射性廃棄物入りコンテナ(赤丸のところ)


放射性廃棄物入りコンテナを吊るための作業は、人手で行われる


クレーンで吊り下げられて移動中のコンテナ


放射性廃棄物運搬船のSLNCヨークの船倉に、放射性廃棄物入りコンテナが入れられようとしている



コンテナには「UN2910」の文字の表示が。中に入っている物が放射性物質であることを示す国連番号だ


レーガンの飛行甲板の先端部には、武装した複数の兵士の姿が見えた。足下には機関銃も置かれていた

横須賀基地で定期修理を行っていた原子力空母ロナルド・レーガンから、4月20日、放射性廃棄物を搬出する作業が行われた。

作業は、12号バースに停泊している原子力空母の内部からエレベーター上に引き出された、放射性物質の入ったコンテナを大型クレーンで吊り上げて、13号バースに接岸している貨物船SLNCヨークの船倉に積み込むというものだった。

SLNCヨークは、放射性廃棄物運搬船としてチャーターされた貨物船だ。
防衛省南関東防衛局横須賀防衛事務所からの情報として横須賀市が発表したところによれば、今回搬出された放射性廃棄物入りコンテナは4個だった。

放射性廃棄物が発生したのは、定期修理で原子力空母の動力装置の修理作業を行ったからだろう。
しかし、日米両政府は公文書のエードメモワールで、米軍の原子力艦船の日本の基地への入港にあたって、動力装置の修理を日本国内で行わないこと、放射性廃棄物を艦外に出して日本に持ち込まないことを約束している。
横須賀での原子力空母の動力装置の修理や、放射性廃棄物入りコンテナを艦外に出して貨物船に積みかえた行為は、明らかにエード・メモワールに違反する危険な行為だ。
にもかかわらず、日本政府も横須賀市も神奈川県も、米軍のこの約束違反に抗議すらしない。どういうつもりなのだろうか。労働者や住民を危険に曝す行為なのに。

この日、ヨコスカ平和船団は海上から抗議と監視活動を行い、ヴェルニー公園でも市民が横断幕を掲げて抗議を行った。

4月20日の午前中に、放射性廃棄物の入ったコンテナを船倉に積み込んだSLNCヨークは、同日の午後には横須賀基地を出港した。目的地は、米本土のピュージェット・サウンドだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)(2023.4.20 星野 撮影)


ヨコスカ平和船団は、海上でこの横断幕を掲げて抗議した


ヴェルニー公園からも、市民が横断幕を広げて抗議した



2023-4-27|HOME|