原潜アナポリス、横須賀入港


5月24日、横須賀基地の13号バースに接岸した原子力潜水艦アナポリス(23.5.24 木元茂夫 撮影)


5月28日のアナポリス。セイル上部の周囲に足場のようなものが設置されている(23.5.28 星野 撮影)

5月24日、ロサンゼルス級原子力潜水艦アナポリス(ANNAPOLIS SSN 760)が横須賀基地に入港し、13号バースに接岸した。

外務省から5月23日に入港通知を受けたという横須賀市が、24日になってから発表したところによると、今回の寄港目的は「休養・補給・維持」だ。

5月28日にアナポリスを見ると、セイルの上部の周囲に仮設の足場のようなものが設置されていた。
何らかの補修作業のようなことが行われているのだろうか。
補修作業だとしたら、何の補修工事なのだろうか。またそれは、寄港目的の「維持」にあたるものなのだろうか。

ところでアナポリスは、1992年4月に就役した原潜だが、母港がサンディエゴに変わり、大西洋艦隊から太平洋艦隊に所属が変わったのは2018年のことで、横須賀に寄港するようになったのもそれ以降のことだ。
サンディエゴを母港にしていた時には、2019年4月5日から9日、2020年12月8日、同じく2020年12月11日から16日の計3回横須賀に寄港している。
さらに、2022年3月にグアムに母港を移しているが、その後、今年に入ってから、3月10日、3月17日、5月21日、5月24日〜と、頻繁に寄港を繰り返している。
日本周辺で活動を行っているらしいことがうかがえる。
今年に入ってから5月28日までの横須賀への原潜の寄港状況を見ると、アナポリスが4回と、ハンプトン(HAMPTON SSN 767)が2回の、計6回だ。
原子力空母だけでなく、原潜も「東京湾に浮かぶ原子炉」なのだ。

なお、横須賀市の「報道発表資料」に掲載される原子力潜水艦の寄港情報を見ると、例えば、今回、2023年5月24日のアナポリスの寄港情報には、「外務省から5月23日に入港通知のあった米海軍潜水艦アナポリスは、5月24日午前11時7分に横須賀港に入港しました。」と書かれている。
しかし、この表現の仕方は明らかにおかしい。
「外務省から5月23日に入港通知のあった米海軍潜水艦アナポリスは」という表現は、既に読み手が5月23日に入港通知があったことを知っていることを前提とした表現だ。
しかし実際には、横須賀市は、5月23日に外務省から入港通知を受けても翌日まで市民にそれを知らせないのだから、読み手は23日に入港通知を受けていたことを知らない。
したがって、例えば、「5月23日に外務省から米海軍原子力潜水艦アナポリスの入港通知がありました。このアナポリスは、5月24日に〜横須賀港に入港しました」というような形で書くべきではないか。
しかし、このような書き方をすると、前日に既に原潜の入港通知を受けていたにもかかわらず、市民にそれを伝えなかったことが明白になってしまうので、上で引用したような、明らかに奇妙な表現を使うのだろう。
とは言え、このような不自然な表現を使ってみたところで、市民に情報を知らせていないということに何ら変わりはないのだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


5月28日、13号バースにアナポリスが停泊し、隣の12号バースには駆逐艦ラファエル・ペラルタ(DDG115)が停泊していた。12号バースは、普段は原子力空母の指定席だ(23.5.28 星野 撮影)


2023-5-29|HOME|