原潜ミシガン、横須賀寄港


横須賀基地の12号バースの奥に接岸した巡航ミサイル原潜ミシガン(23.7.4 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)


セイルのすぐ近くにDDS(ドライ・デッキ・シェルター)を搭載していて、その蓋が開いている(23.7.4 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)


ミシガンは、全長170.7メートルの巨大な巡航ミサイル原潜だ(23.7.4 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)

オハイオ級巡航ミサイル原子力潜水艦ミシガン(MICHIGAN SSGN 727)が7月2日午前10時台に横須賀基地に入港し、12号バースに接岸した。
横須賀市が発表した外務省からの入港通知によれば、今回のミシガンの寄港目的は「休養・補給・維持」だ。

ミシガンは6月16日から6日間、韓国のブサンに寄港しており、横須賀には6月28日の昼頃にも「補給・維持」の名目で短時間、沖泊まりの寄港をしていた。また、昨年11月には沖縄のホワイトビーチで短時間の沖泊まりの寄港をしている。

オハイオ級巡航ミサイル原潜は、もとは弾道ミサイル原潜(SSBN)として造られたものを巡航ミサイル原潜(SSGN)に改造したもので、その名の通り、150発を超える大量の巡航ミサイルを搭載する能力を持つ。つまり、バージニア級やロサンゼルス級といった攻撃型原潜(SSN)を大きく上回る対地攻撃能力を持つ。

さらに、今回、ミシガンはドライ・デッキ・シェルター(DDS:Dry Deck Shelter)を1基搭載してきたが、これは秘密裏に上陸作戦を行う特殊部隊が、潜航している原潜の艦内から海中に出ていくための装置だ。

巡航ミサイルによる対地攻撃だけではなく、DDSを搭載することで、特殊部隊の上陸という脅威をライバル国に与えることのできる巨大原潜が、このオハイオ級SSGNだ。
まさにライバル国を強烈に威嚇する目的を持って、東アジア周辺に出没しているのだろう。

SSNが横須賀に寄港するときには13号バースに接岸するが、SSGNのミシガンは、12号バースに接岸するのが通例だ。
大量の巡航ミサイルを搭載するオハイオ級SSGNは全長約170.7メートルで、全長115メートル弱のバージニア級SSNや、全長110メートル弱のロサンゼルス級SSNよりも船体が遥かに大きいためだろう。

巨大な巡航ミサイル原潜の寄港地であることによって、横須賀は、そして日本列島は、米軍によるミサイル攻撃の拠点としての性格をより強く持たされているということだ。それはまさに、武力による威嚇の拠点となっているということでもある。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


7月5日の夜も、12号バースの奥に停泊を続ける原潜ミシガン(23.7.5 星野 撮影)


7月5日の夜の時点では、12号バースの海寄りの位置には駆逐艦ミリウス(DDG 69)が停泊していた。
ミリウスは、翌7月6日に6号ドックの中に移動した(23.7.5 星野 撮影)


ミシガンは、7月7日の時点でも12号バースに巨大な船体を横付けしていて、DDSの蓋は開いていた(23.7.7 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)


2023-7-7|HOME|