第7艦隊旗艦ブルーリッジ、パトロール航海から戻る


8月17日、パトロール航海を終えて横須賀基地の9号バースに接岸した揚陸指揮艦ブルーリッジ。建物の向こうに艦橋やマストなどが見える(23.8.17 星野 撮影)


今回のパトロール航海期間中の7月10日、一時的に横須賀沖に現れたブルーリッジ(23.7.10 星野 撮影)


パトロール航海に出発する前、6月25日に横須賀基地の9号バースに停泊中のブルーリッジ(23.6.25 星野 撮影)


8月17日、第7艦隊旗艦の揚陸指揮艦ブルーリッジ(BLUE RIDG LCC19)が横須賀基地の9号バースに戻ってきた。

ブルーリッジは、2021年の春から約19か月間にわたる長いSRA(Selected Restricted Availability)期間に入り、22年12月に試験航海を行うまでの間、メンテナンス、修理、アップグレード工事のためにずっと横須賀基地に滞在し続けていた。

SRAの終了後、長期間の航海は、今年4月26日から5月24日までの任務航海に次いで今回で2回目だった。

今回は、7月8日に横須賀を出港し、7月10日に短時間横須賀に戻ってきた後、11日に海上自衛隊の護衛艦「すずつき」と合同訓練PASSEX(passing exercise)を行った。
さらに、7月14日から15日にかけては台湾の南東海域で作戦指揮を行ったとの情報もある。

その後は、7月22日から23日にかけてシンガポールに、7月27日から29日までインドネシアのジャカルタに、8月3日から5日にかけてはブルネイのムアラに、さらに8月7日から10日までフィリピンのプエルト・プリンセサに、それぞれ寄港している。

各訪問先では、ブルーリッジに乗船している第7艦隊幹部が各国の海軍幹部などとの会談を積極的に行った。
また乗員たちも、訪問先で音楽のライブをやったり、運動会に参加したり、ボランティア活動をしたりと、米軍への好感を獲得するための宣伝活動に精を出したようだ。

1970年に就役した、実質的に米海軍最古の現役艦である揚陸指揮艦ブルーリッジの今回の「パトロール航海」には、米軍への支持協力を確保するための人的な交流や宣伝の手段としての側面も強くあったようだ。

もちろん、第7艦隊旗艦の主任務は、ミュージシャンの派遣でもないし、清掃ボランティアや子どもとの「ふれあいボランティア」の派遣でもないし、運動会参加者を各国に送り出すことでもないことは言うまでもない。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


2023-8-22|HOME|