原子力空母レーガン、横須賀帰港


横須賀基地に入ってきた原子力空母ロナルド・レーガン(23.8.25 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)


基地の沖で待機する海自イージス艦「まや」。8月21日から25日の横須賀入港まで原子力空母に随行していた(23.8.25 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)


回頭を開始するレーガン(23.8.25 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)


飛行甲板上には、故障機などの姿は見当たらない(23.8.25 木元茂夫 撮影)


回頭して、出船の姿勢に向きを変えたロナルド・レーガン(23.8.25 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)


バックをしながら12号バースに接岸する原子力空母レーガン(23.8.25 木元茂夫 撮影)

8月25日の朝、原子力空母ロナルド・レーガン(RONALD REAGAN CVN 76)が横須賀基地に戻ってきた。

朝8時台に港内に現れたレーガンは、埠頭の前で回頭し、後退しながら出船の姿勢で12号バースに入った。接岸は9時頃に完了した。

原子力空母レーガンの入港時、基地の沖には海上自衛隊のイージス艦「まや」(DDG 179)が待機していた。
「まや」は、海上自衛隊の8月25日付の発表によれば、8月21日から25日まで、「沖縄東方から関東南方」の海上で原子力空母ロナルド・レーガンと「日米共同訓練」と称して行動を共にしていた。
実質的には、海自のイージス艦が横須賀基地への入港に至るまで、米国の原子力空母の護衛を担っていたということだろう。「共同訓練」が名目であっても、外国の原子力空母の実質的な護衛を海自護衛艦が担うことに、どのような正当性があると言うのだろうか。

レーガンと「まや」の他にも、レーガンの随行艦を務めていたイージス巡洋艦ロバート・スモールズ(ROBERT SMALLS CG 62)も8月25日に横須賀に戻ってきた。

レーガンの今回の任務航海に随行していたもう一隻の巡洋艦のアンティータム(ANTIETAM CG 54)は、8月22日に一足先に横須賀に戻ってきており、また、駆逐艦ラファエル・ペラルタ(RAFAEL PERALTA DDG 115)は、7月後半にはタリスマン・セイバー演習に回り、レーガンの随伴から離れていたようだ。

5月23日に出港した今回のパトロール航海でレーガンは、6月25日にベトナムのダナンに寄港し、7月16日にはインドネシアのバリ島に寄港している。

今回の横須賀帰港にあたって、艦載機は岩国に降ろしてきたようだ。
飛行甲板上に故障機が置かれているということはなかった。
艦載機を降ろしてきたということは、ある程度の日数は横須賀に滞在するということだろう。だが、秋のパトロール航海に出る前にパイロットの着艦資格取得訓練が必要になるほどの期間、横須賀に滞在し続けることもないだろう。

この春米軍は、原子力空母ロナルド・レーガンをジョージ・ワシントンに2024年に交代させることを発表した。発表によれば、来年春にレーガンは出港し、来年後半にジョージ・ワシントンが横須賀に入港するのだという。
米軍のこのような発表によるならば、レーガンの、「夏のパトロール航海からの横須賀帰港」は今回が最後ということになるのだろうか。それとも、帰国の前に、来年も夏に一回戻ってくるつもりでいるのだろうか。
レーガンに限らず、ジョージ・ワシントンにも、すべての原子力空母にも、もう「横須賀帰港」も「横須賀寄港」もしてほしくないものだが。

ところで、5月23日のレーガンのパトロール航海への出港は、原子力空母レーガンの原子炉部門を中心とする乗組員の薬物使用、所持、流通の容疑による捜査が行われていることが明らかにされた直後のことだった。
原子力空母の原子炉部門の乗組員の薬物汚染という衝撃的な事件は、その後、どうなったのだろうか。
これこそまさに、東京湾周辺に住む数千万の人びとの生命と暮らしに直接かかわるきわめて重大な危機のはずだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


12号バースに接岸した原子力空母ロナルド・レーガン(23.8.25 星野 撮影)


8月25日には、今回のパトロール航海でレーガンに随伴していた巡洋艦ロバート・スモールズ(CG62)も横須賀に戻ってきた(23.8.25 星野 撮影)



2023-8-26|HOME|