巡洋艦シャイロー、横須賀を離れる


8月13日、横須賀基地の6号バースに停泊していた巡洋艦シャイロー(23.8.13 星野 撮影)


シャイローは、今回の出港の前、8月30日から9月1日にかけて錨地に出て沖泊まりをしていた(23.8.31 星野 撮影)

9月5日、イージス巡洋艦シャイロー(SHILOH CG 67)が横須賀を出港し、新しい母港となるハワイのパールハーバーに向かった。

1992年に就役したタイコンデロガ級巡洋艦のシャイローが横須賀に配備されたのは、2006年8月。以来、約17年にわたって横須賀を母港として行動していた。
シャイローが横須賀を離れたことで、横須賀に配備されている米艦は13隻となった。

米海軍HPによれば、今回のシャイローの母港の異動は「太平洋における戦力ローテーション計画の一環」ということだが、米海軍はシャイローを2024米会計年度で現役から引退させたいとする意向を強く示している。
シャイローの予定耐用年数は35年で、1992年就役の同艦はまだ耐用年数切れにはなっていないが、シャイローなどタイコンデロガ級巡洋艦は老朽化しメンテナンスのコストが負担になっていると海軍幹部は主張し、引退を認めるよう連邦議会に要求している。

今回のパールハーバーへの異動は、シャイローの現役引退を求める海軍幹部の方針と無関係ではないはずだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


今年5月、国防総省が連邦議会の委員会に説明のために提出した文書「DEFENSE FORCE STRUCTURE CHANGES EXHIBIT」の19ページからの引用。
巡洋艦シャイローを2024会計年度で引退させれば削減できるコストの見込みや、海軍としては2024会計年度で引退させる方針だということを主張する記述が並ぶ。
引用しなかったが、この後には、シャイローを現役にとどめることによるコストについての記述も続いている。


上と同じ文書「DEFENSE FORCE STRUCTURE CHANGES EXHIBIT」の6〜7ページからの引用。
米海軍として、予定耐用年数よりも前に引退させたい艦船のリスト。シャイローも含まれている。



2023-9-10|HOME|