日米韓合同演習−日米合同演習続く

横須賀配備のイージス艦ジョン・フィンが台湾海峡通過



1月24日に台湾海峡を通過したイージス駆逐艦ジョン・フィン(DDG 113)(23.12.31 木元 撮影)


1月31日に横須賀に寄港した原子力空母カールビンソン打撃群のイージス駆逐艦ウィリアム・P.ローレンス(DDG110)(24.1.31 木元 撮影)



24年1月から日米韓、日米の大規模な演習、訓練が続いた。
その規模、頻度は23年を上回りつつある。原子力空母2隻が集結し、早期警戒機(AWACS)や空中給油・輸送機まで動員し、海と空で演習が繰り広げられた。中国海軍もそれに対応する動きを見せた。

以下、最近の日米韓及び日米の動きと中国の動きをまとめておく。
■で示すのは、 中国海軍の動き。防衛省統合幕僚監部の発表による。
●で示すのは、日米韓の動き。統合幕僚監部、海上幕僚監部、自衛艦隊司令部FB、航空幕僚監部、米第7艦隊広報等による。


■1月12日 中国海軍の情報収集艦が宮古海峡南下、13日には同海峡を北上し東シナ海へ。

●1月14日〜17日 日米韓合同演習
原子力空母カールビンソン(CVN70)と、イージス巡洋艦プリンストン(CG59)、イージス駆逐艦スタレット(DDG104)とキッド(DDG100)が参加。韓国海軍はイージス艦世宗大王(セジョン・デワン)、駆逐艦王建(ワン・ゴン)が参加した。
海上自衛隊はヘリ空母ひゅうが(舞鶴)とイージス艦「こんごう」(佐世保)が参加した。
演習海域は「東シナ海」と海自は発表している。
日程は1月13日の台湾総統選の翌日からの4日間である。カールビンソン打撃群(CSG-1)司令官のカルロス・サルディエロ(Carlos Sardiello)少将は、「わが打撃群は、日本と韓国の海上部隊との連合部隊として、再び訓練し、能力をさらに強化する機会を歓迎する」と述べた(第7艦隊広報)。

■1月16日 中国海軍のミサイル駆逐艦とフリゲート艦が宮古海峡を南下。

●1月17日〜19日 日米共同訓練(海上)
日米だけの合同訓練が、「東シナ海から沖縄南方」海域で、上記演習に参加した艦艇によって行われた。
海自の第3護衛隊群(舞鶴)司令横田和司海将補は、「各種訓練を通じ、部隊レベルの連携要領をより一層強化しました」「日米海軍種はより一層強固に連携し、あらゆる事態に対処可能な能力の向上を図り、自由で開かれたインド太平洋の維持に貢献していきます」とコメントしている(自衛艦隊司令部FB)。

●1月17日〜19日 日米共同訓練(航空)
海上の共同訓練と同じ日程で、「沖縄周辺空域」で航空部隊の演習も行われた。
空自第9航空団(那覇)はF-15戦闘機27機とE-2C早期警戒機2機を参加させた。E-767早期警戒管制機(浜松)1機、さらに第3輸送航空隊(鳥取・美保)のKC-46A空中給油・輸送機2機。米空軍はF-35Aステルス戦闘機10機が参加した。
戦闘機が日米合わせて37機というのは、日本国内の演習としてはおそらく過去最大規模である。しかも、相手国の航空機の情報をあたえる早期警戒管制機(AWACS)も参加、空中給油・輸送機も2機参加した。航空幕僚監部は「各種戦術訓練」としか発表していないが、空中給油訓練も行ったと推測される。中国空軍との長時間の対抗を意識したものであろう。17日から19日までの「訓練」は海空一体の大演習ではないだろうか。

●1月24日 横須賀配備のイージス駆逐艦ジョン・フィン(DDG 113)が、台湾海峡を通過。

●1月24日〜25日 哨戒機の日米共同訓練
海自のP-3Cと米海軍のP-8Aが、「沖縄東方海域」で共同訓練

■1月25日 中国海軍のミサイル駆逐艦とフリゲート艦が大隅海峡を西進

●1月29日〜2月1日 日米共同演習、
原子力空母カールビンソン(CVN 70)に加え、ルーズベルト(CVN 71)が参加、イージス巡洋艦プリンストンに加え、レイク・エリー(CG 70)。同駆逐艦はダニエル・イノウエ(DDG 118)、ウィリアム・ローレンス(110)、スタレット(104)、ハルゼー(DDG97)、横須賀配備のラファエル・ペラルタ(115)、ジョン・フィン(113)、デューイ(105)、の3隻が参加し、計11隻の大艦隊を編成。海上自衛隊はヘリ空母「いせ」のみの参加である。

訓練海域は「沖縄南方」。ジョン・フィンは1月24日に台湾海峡を通過した後、この演習に合流している。

●1月31日 ウィリアム・ローレンス(110)が横須賀入港。

■2月01日 中国海軍のミサイル駆逐艦とフリゲート艦が宮古海峡を通過して、南東方向に航行。

(木元 茂夫)




1月31日の日米合同演習。手前から空母カールビンソン、ヘリ空母「いせ」、空母ルーズベルト(NAVY.MIL 2024年1月31日)


2024-2-12|HOME|