横浜ノースドックの陸軍揚陸艇、日米合同演習で奄美大島へ


9月12日奄美大島の名瀬港に入った揚陸艇カラボザ。高機動ロケット砲ハイマースが甲板に載っている(23.9.12 城村典文さん 撮影)


名瀬港に入ったカラボザの甲板には、各種の軍用車両も並んでいた(23.9.12 城村典文さん 撮影)


バウランプを下ろして、兵器や車両を陸揚げしようとしている(23.9.12 城村典文さん 撮影)


オリエントシールド演習の終わりに、奄美駐屯地で陸自隊員にハイマースについて説明する米陸軍少佐(右)ら。
米軍画像サイトDVIDSの解説によれば、このハイマースは第1マルチドメインタスクフォース第3砲兵連隊第5大隊所属だ。
米軍画像サイトDVIDS https://www.dvidshub.net/image/8050252/1st-mdtf-soldiers-and-jgsdf-service-members-conclude-orient-shield-2023-with-himars-static-displayより引用


陸上幕僚監部の発表によると9月14日から23日にかけて、陸上自衛隊と米陸軍の合同軍事演習「オリエント・シールド23」が奄美大島の奄美駐屯地などで行われた。

この演習には、米軍や外務省の約束では燃料を抜いて横浜ノースドックに「保管」しているはずのラニーミード級陸軍揚陸艇カラボザ(CALABOZA LCU 2009)も参加し、複数回にわたって奄美大島の名瀬港に米軍や自衛隊の武器や物資を輸送した。

オリエント・シールドは海兵隊ではなく陸軍と陸自の合同軍事演習だが、琉球弧での揚陸艇による高機動ロケット砲などの輸送・揚陸訓練は、海兵隊のEABO(機動展開前進基地作戦)と同様の狙いがあるのだろう。

カラボザは、少なくとも9月12日、21日、23日の3回、名瀬港に入った。
9月12日には、高機動ロケット砲ハイマース3台など、米軍の兵器や車両を陸揚げした。
21日には、陸上自衛隊の物資の陸揚げを行った。
23日には、12日に陸揚げをした米軍の兵器や車両を回収したのではないか。

9月23日に名瀬港を発ったカラボザは、奄美で積み込んだ高機動ロケット砲などを載せて横浜ノースドックに向かった。

「オリエント・シールド23」に参加した揚陸艇カラボザの動きを、横浜ノースドックを出発したところから、把握できた限りの分を、以下にまとめておこう。

8月17日の夜、横浜ノースドックを出発
8月21日の夕方、ホワイトビーチに到着
8月22日の午後、ホワイトビーチを出発
8月25日の夜、広弾薬庫(呉)に到着
8月26日の午前、広弾薬庫を出発
8月28日の夜、ホワイトビーチに到着
8月29日の夕方、ホワイトビーチを出発
8月29日の夜、那覇軍港に到着
9月7日の朝、那覇軍港を出て慶良間列島方面へ。試験航海あるいは訓練か。
9月7日の夕方、那覇軍港に到着。
9月10日の昼、那覇軍港を出発。
9月12日の朝、名瀬港に到着。
9月12日の夕方、名瀬港を出発。
9月13日の朝、ホワイトビーチに到着。
9月13日の午後、ホワイトビーチを出発。
9月13日の18時過ぎ、那覇軍港に到着。
9月20日の朝、那覇軍港を出発。
9月21日の朝、名瀬港に到着。
9月21日の午後、名瀬港を出る。
9月23日の午前、名瀬港に入港。
9月23日の午後、名瀬港を出発。横浜ノースドックに向かう。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


8月17日の夜、カラボザは横浜を出港したが、その日の昼間のカラボザ(23.8.17 星野 撮影)


6月から7月にかけてカラボザは、横浜港内の移動が複数回確認された。上の写真は7月26日(23.7.26 星野 撮影)


6月21日、横浜港内を移動する揚陸艇カラボザ。外からは見えづらい甲板の奥に、テントと複数の長椅子が置かれている。乗員の「福利厚生」用なのだろうか(23.6.21 星野 撮影)


7月26日のカラボザ。やはりテントと複数の長椅子が見える(23.7.26 星野 撮影)


2023-10-8|HOME|