ジェット燃料JP-5街中を走る
6月11日、長浦港入り口交差点から16号へ出たところ
上大岡県道22号へ左折
県道22号釜利谷手前
6月11日、軍隊にとって血液とも言える兵站の要、燃料の動きを
追ってみた。
日本各地の米軍基地へ、米海軍チャーターのタンカーが
燃料を送り込んでいる。横須賀吾妻島では、米艦船用、米空軍用
JP-8、海軍艦載機用JP-5が荷下ろしされる。JP-8は,吾妻島で
小型タンカーへ積み替えられ、鶴見の安善貯油施設へ海上輸送、
安善からは、JR貨物で定期的に米空軍横田基地へ運ばれている。
厚木の米海軍で使われるJP-5の補給は、相鉄が貨車輸送をやめて
からは、街中を走るタンクローリーの陰に隠れ目立たなかった。
運んでいるのは,日本の運輸会社で、20KL~24KL(重量15t~18t)
積みのトレーラーのタンクローリーを使い、一日複数便を出して
いる模様だ。街なかを走る多くのタンクローリーは、デカデカと
メーカー標示をしているが、JP-5のタンクローリーは,無印で銀色
一色だ、図体が大きいだけに異様でもある。
箱崎の燃料ターミナルからJP-5を満タンにしたタンクローリーは、
長浦港入り口から国道16号へ顔を出、そのまま16号を上大岡まで
直進、県道22号の笹下釜利谷道路へ左折して入る、洋光台の脇や
笹下の木造住宅密集地を通り、打越で左折して環状2号へ入る。
環状2号は、日飛の杉田工場が有る磯子から、新横浜、鶴見を結ぶ
所々4車線もある基幹道路だ。艦載機のメンテを一手に引き受ける
日飛のトラックに追い越されながら、外回りを走り、今井町で
保土ヶ谷バイパスへ下り相模原方面へ向かう。
下川井IC.で中原街道へ、
聖マリアンナ医大西部病院まえを通過、相鉄をくぐってすぐ、
厚木街道へ右折して入る。そこからは、厚木基地東門まで真っ直ぐ
だ。瀬谷から大和にかけて道路は狭く、登り下りが多い。住宅が多く
危険は増す。横須賀から厚木基地まで一般道を使って1時間半の
行程だ。帰路は、横横道路を使って,逗子IC.でおり箱崎へ戻る車も
有るようだ。
JP-5は、基本的には灯油と同じで、引火点が摂氏60度以上で、
比較的安全ということで、艦載機用に使われてきた。艦載機を持っていない
海上自衛隊の大部分の航空機もJP-5の燃料を使用している。海自の
P3-CもYS-11もプロペラを持っているが、ターボプロップエンジン
というジェットエンジンだ。日米海軍の血液=燃料は同じなのだ。
1967年8月、米軍のジェット燃料を積んだ貨物列車が、新宿駅構内
の衝突事故から発火して、何時間も燃え続けた光景は忘れられない。
新宿の密集地を「米タン」が走り抜けていた事自体、事故が起きる
まで知らなかったし、その衝撃は大きかった。
(田中昭・相模原市在住、写真も)
厚木基地東門へ入るJP-5のタンクローリー
厚木基地内を走るJP-5のタンクローリー
2010-6-12|HOME|