キティーホークの動きと、厚木基地の爆音


艦載機の事故のあと、横須賀に戻ってきたキティーホーク(2005.1.31 撮影)

昨年9月に横須賀に入港した空母キティーホークは、通常の秋の訓練にも行かなかった。そのため、厚木基地の艦載機は昨 年後半は爆音を振りまき続けた。キティーホークは1月11日に横須賀を出港、その後3 回も入出港を繰り返し、いよいよ2月10日には出港するようだが、この間の動き は過去に例がなく、まったく異常だ。その分爆音もうるさく住民への被害が続いた。さらに着艦訓練の失敗で6人が負傷、スーパーホーネットが海の藻屑と消えた重大事故までおきた。

1 空母キティーホークが横須賀に寄港したのが昨年9月7日、例年なら出港して秋 の長期の航海・訓練に出る時期に入ってきた。空母の入港に伴って艦載機は厚木基地 に。以来厚木基地の滑走路を空母の甲板に見立てて激しい訓練を5ヶ月あまり続けて いた。10月にはスーパーホーネットの第2陣が到着、爆音はすさまじく、周辺市民 の生活を乱していた。そして空母キティーホークは1月11日、横須賀を出港した。 NLPの通告、実施なしの試験航海に。

  2 1月13日、米海軍厚木航空施設司令官Aリードエクストロム大佐が大和市役所 を訪れ、土屋市長に18日から23日まで着陸訓練を行うと通告、基地司令官が直接 大和市に来て通告というのも異例のことだが、直前5日前の通告も異常。そしてスマ トラ沖の地震・津波被害の救援のためとほのめかしての通告もおかしなものだった。

3 今回の通告には米軍側からはNLPとの表現はなく、着陸訓練と表現し、夜間だ けでなく昼間の訓練を示唆した通告だった。同日、防衛施設庁から周辺自治体に出さ れた通告の通知でも、硫黄島で着陸訓練、厚木で夜間着陸訓練、硫黄島の悪天候の場 合は厚木、岩国、横田、三沢で着陸訓練と表現されている。

4 空母キティーホークは17日にいったん横須賀に戻り、翌18日に再び出港、今 度は“着陸訓練”中の22日に横須賀に戻り、そして26日に再度横須賀を出港し た。

5 この出港でNLPを終えた艦載機も厚木基地から空母とともに災害救援に行くと 思いきや、艦載機は相変わらず厚木基地で激しい訓練を繰り返していた。

6 そしてスーパーホーネットの事故。29日午後6時半過ぎにFA18F型機が着 艦に失敗してワイヤーが切れて重症者をだし、飛行機は海に落ちた。

7 空母キティーホークは31日、再び横須賀に入港、1カ月に3回も入出港を繰り返 すという異常事態だ。事故の原因も、状況報告も詳しくされず、どうなっているんだ との疑問が募る。

8 災害救援はどうなったんだとの疑問も募る。NLPが、出港が、災害派遣のため でなかったことの説明はいまだ何もなされていない。 

                 

(金子ときお・相模原市議)


キティーホークが戻ってきた1月31日、スーパーホーネットが爆音を振りまいていた
(2005.1.31 撮影)


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