オープンハウス『ウイングス´97』の報告

〔97.7 監視団ニュースより〕


米軍の暴挙−住民無視と誇大宣伝

 6月28日・29日の両日、今年もまた基地のオープンハウス『ウイングス´97』が開かれた。今年のオープンハウスに関しては、爆音被害や危険性から中止を求める様々な事前の取組みがあった。

 厚木基地爆音防止期成同盟(以下、爆同)の申し入れをはじめとして、県平和運動センター、さらに地元大和市などが先頭に立って、米軍や国・防衛施設庁に申し入れを行ったし、県や周辺市も同様の取組みを行った。また、参議院でも斎藤つよし議員が取り上げ、中止を迫った。

 こうした様々な中止を求める声を無視し、6月10日に空母インディペンデンスが横須賀に入港、直前の8日に艦載機を厚木基地に降ろし、以降厚木での離発着を繰り返し、爆音をまき散らしての訓練が激しく行われた。特に22日からの週になると、曲技飛行のリハーサル訓練も始まり、爆音に対する住民の抗議の声もたかまり、周辺住民の苦情電話も多数になった。

 こうしたなか、県や周辺市の再度の中止の申し入れを無視する米軍は、ついに26日、パラシュートの降下訓練中、午前10時30頃、2回目のリハーサル中に事故をおこした。 このパラシュート降下訓練は沖縄・トリイ基地所属の米陸軍第一大隊第一特殊部隊群のグリーンベレー部隊8人によるもので、2度目のジャンプの際、6人が風に流されコースを外れ、南東側の基地外、民家や自衛隊官舎に落下、民家の窓ガラスが割るなどの被害を及ぼしたのである。 ところで、厚木基地の自衛隊ヘリコプターがこの捜索に当たっていたことが、マニアのエアーバンド情報で明らかになっている。米軍の事故で米兵救出に駆けつけるという自衛隊の体質は相変わらずだ。

 この事故に対して、県平和運動センターや大和市などは、米軍に曲技飛行やパラシュート降下の中止を求める申し入れを行った。しかし米軍はこれを無視、『ウイングス´97』は予定通り実施すると発表して、事故を起こした日の午後も16機の編隊飛行訓練を基地上空で行うなどの暴挙を繰り返す有様だった。

 さて、『ウイングス´97』の当日、28日は折からの台風8号が午前中九州に上陸、午後から神奈川でも風が強くなり、曲技飛行は午前中の日本人民間パイロットによるアクロバット飛行のみで、他は中止となった。29日は台風も過ぎ去り、予定通りのイベントとなったが、パラシュートの降下は行われなかった。

 なお、この日大和市役所に寄せられた爆音の苦情電話は50件にものぼり昨年の12件を大幅に上回った。また、例年は基地開放に入場する人数を米軍が主催者発表として『60〜70万人』としていることに対し、今回大和市、綾瀬市が中心となって専門の調査員が入場者数を調査。28日は65731人、29日は66841人で、米軍のケタ違いの水増し発表を暴露するものとなった。

相模原市議 金子豊貴男


『ウイングス'97』に伴う航空機騒音苦情

 第三次厚木基地爆音被害訴訟〔97.7 監視団ニュースより〕

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