<厚木基地開放>

激しかったリハーサルの爆音、抗議電話、過去最高を記録

 [大和]神奈川県の大和市と綾瀬市にまたがる、米海軍厚木基地、米空母艦載機に
よる爆音被害が激しく、国を相手の爆音なくせの裁判を初め、四十年に渡る基地撤
去、爆音解消の活動が続けられているが、七月一日、二の両日、住民や地元自治体の
反対の声を押し切って、基地開放、デモンストレーション飛行が行われ、危険な飛
行、激しい爆音に市民からの抗議が相次いだ。 厚木基地のエアーショー(基地開
放)は通常年一回、一昨年は米軍の都合で中止、昨年は秋に地元の各自治体や教育委
員会、湘北地区教職員組合、厚木基地爆音防止期成同盟などの反対を押し切って強行
実施、周辺市の小中学校の運動会の日程と重なったため、運動会の行事が妨害された
学校が多くでて、大きな問題となった。
 さらに、その後も米軍は今年2月のNLP(夜間連続離発着訓練)を県立高校の受
験日前後に連続実施、基地報道官が『受験勉強は日頃から行っておくもの』、との暴
言を吐くなど教育現場への影響が焦点となっていた。
 このため、今年のエアーショーは断じて許さないとの声が多く、地元の各自治体の
首長や各教育委員会、住民運動団体も一斉に抗議の声を挙げ、五月下旬から次々と米
軍や国・防衛施設庁に申し入れを行った。
 また、六月二十九日は厚木基地爆音防止期成同盟、第三次訴訟団、神奈川平和運動
センターなどが直接厚木基地正面ゲートに押しかけ、抗議行動を展開した。 この行
動は社民党県連合が中心になって組織したもので、爆同会員や労組員など五十名あま
りが参加、米軍宛てに抗議文を提出した。 なお、このエアーショーの前段はリハー
サルや訓練を激しく行うため、爆音もひどく、期末試験を前にした授業が各地で妨害
された。 リハーサル訓練が行われた六月二十九日午後には、『子供がおびえてい
る』『頭が痛い』『低空で怖い』などの、大和市基地対策課だけでも二百六十七件の
抗議・苦情の電話が寄せられ、市の一般業務に支障がでるほど。同市が測定した記録
では最高百十七・五デシベルを観測、爆音の凄まじさをものがたっている。
 一日、二日のエアーショーでは午後二時すぎからデモフライトを強行、十六機編隊
の曲技飛行や急上昇、急降下、空中給油などを見せた。
 この曲技飛行に対し、市民からの苦情も多く『窓を閉めても、子供がおびえて泣い
ている』『夜勤なのに眠れない』などの抗議が殺到、米軍の無謀、無責任な行為に市
民の批判が高まっている。
 一日には、社民党県連合の福島瑞穂参議院議員や当選したばかりの阿部ともこ、原
よう子の両衆議院議員も現状把握に現地を訪れ、第三次訴訟団の藤田栄治事務局長か
ら説明を受けた。
 なお、このエアーショー米軍の成果誇示のための観客数の水増しが毎回問題になる
が、今回も初日二十万人、二日目三十五万人と米軍は発表、実際はその四分の一以下
(警察関係者)といわれ、被害住民の中止要請に耳を傾けない、水増し米軍に批判の
声が一層高まっている。

'2000-7-10|HOME|