小松基地を見た、聞いた...

〔97.9 監視団ニュースより〕




小松市と小松基地爆音訴訟

8月26日には自治労大会の帰りに小松基地を視察してきました。 そこで、今回は小松市の基地行政と、自衛隊基地、そして、小松基地爆音訴訟団へも伺い、詳しく聞いてきた、第三次訴訟の取組などもレポートします。

小松基地は自衛隊と民間の共用空港、そのため、小松市の担当セクションは飛行場課というところです。 今回は議会の正式視察のため、26日10時に小松駅に降りると、飛行場課の出迎えがあり、そのまま車で自衛隊小松基地に。

航空自衛隊小松基地第六航空団司令部渉外室長に面会、広報担当者から、OHPを使って小松基地の歴史や現状についてレクチャーを受ける。 24時間体制で常にF−15が2機アラートの待機をしている事や、守備範囲、指揮系統などを聞く。最近では緊急発信もほとんどないみたいで、日本海の空の緊張緩和が実感として感じられる。また、その結果騒音に対する市民からの苦情がほとんどなくなったともいわれたが、苦情がないのはスクランブルの離発着が減ったというよりも、住民の爆音に対する慣れとあきらめが、とも考えられ、単純に決め付けたは困るなと思いました。

さて、10時50分から訓練のための離陸があるとのことで、部屋を出て、途中写真をとりながら、滑走路とエプロンが見れる建物の屋上へ。 F−15の303、306という部隊が各20機づつおり、この時は303部隊がおりるのを待って、306の部隊が次々と訓練空域へと飛び上がっていった。さすが滑走路の脇の爆音は凄まじく、隣で説明する広報官は、私が聞こえるようにハンドマイクを使っての説明でした。

そして自衛隊機の離発着の合間をぬうようにJASやANNの民間機が着陸する。30分あまり見ていたがその間に民間機が3機降りる。

現在小松空港を離発着する民間機は国内線が、東京便8往復、福岡2往復、鹿児島4往復、札幌便2往復など、また国際線も小松−ソウルが週2便、小松−ルクセンブルクの貨物便が週3便などとなっている。

この民間機と自衛隊機が共に自衛隊の航空管制官によって管制業務が行われているというのも、凄い現実だ。小松基地は滑走路が海と平行する形にあるが、市街地上空の騒音を避けるため、海から侵入してくる飛行機が急旋回して着陸する。これは民間機も同じで、のってる乗客は怖いほどだ。

小松基地の見学が終わると、飛行場課の案内で、防衛施設庁の周辺整備費の補助金で建てた小松ドームに向かう。今年7月にオープンしたばかりのドームで、当日は市のゲートボール大会が開かれていた。巨大なドームの中での老人たちのゲートボールはちょっと戸惑ったが、広い会場での伸び伸びしたプレーはまたそれでいいのかもとも思う。

この巨大な施設、生涯学習施設が併設され、その部分が防衛施設庁の補助金と言う事だが、ドームのほうは年間のランニングコストが一億五千万円、との事で、自治体の持ち出しとしては大きい負担だ。

車の中で、小松市の基地対策をいろいろ伺う。特に、自衛隊と民間航空会社、市との三者協議が毎月行われ、市の行事や、市議会本会議などには自衛隊の飛行訓練を控えてもらっているとの実態には感心した。

午後は、小松市議会で長田良一市議と懇談、車で訴訟団の事務所まで案内してもらう。

山根事務局長は前県議さんで、教組の出身とのこと、今回の第三次訴訟の経過や取組みを伺う。

特に訴訟団の組織の仕方や、会議の持たれ方、事務局の仕事等、今後の厚木訴訟の参考になりそうな点を1時間半余り聞き、参考資料の頂く、伺った中では、基地の騒音調査を訴訟団独自に年二回、一週間づつ、連続して基地周辺3か所で行っている行動で、支援者に爆音の実際を体験してもらえる点や、飛行コースの正確な把握等、裁判資料の作成とも相舞って参考になった話しだった。

小松では訴訟団の正式な専従職員はおらず、組合の書記さんに手伝って貰っているとのことであったが、事務作業が多く、各地域組織の機能化が課題のようであった。

訴訟団の後は再び市議会に戻り、市立博物館や、本陣美術館を見学、市役所前の公園で自衛隊機の侵入を見たが、厚木の爆音に劣らないなかなかのもので市役所にむかっての急旋回を写真に納めた。最後は夕闇の小松空港、送迎デッキに行き、自衛隊機の着陸をカメラに、とにかく丸一日、自衛隊機を見た視察でした。


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