「岩国基地沖合移設事業」完成後の全容示す施設計画図を入手
現滑走路と新滑走路を結ぶ「連絡誘導路」3本を建設、滑走路を2本化か?

 97(平成9)年6月、岩国基地沖合移設事業が海の工事を始め8年経過した。広大な 藻場は潰され、愛宕山から運ばれた土砂で海は土地に変わった。総額2400億円という巨額 の思いやり予算を投入し、2008年度に工事は完成する。

基地沖の堤防に立つと潮の匂いは消え、壊された自然だけそこにある。その沖合移設事 業は今、どうなっているだろう。市民には判りにくい基地の中の工事で私はこのほど防衛 施設庁から完成後の施設配置計画図を入手した。議会質問を予定し防衛施設庁に資料提示 を求めていたが、これが実現したものだ。
その計画図によれば移設後の岩国基地は今の米 軍施設が合理的に再配置され随分機能的になる。旧海軍が建設した施設をそのまま使用し てきた米軍にとって、沖合移設は絶好のリフォーム事業だった。

 滑走路北側の弾薬庫群は南側の岸壁近くに移動させ船舶への出し入れも便利になる。滑 走路から遠くなる格納庫や駐機場は今の弾薬庫群近くに移され、「大幅に機能が向上、こ れで150エーカー(約60ヘクタール)の有効な用地が出現する。」と米軍側の期待を 軍の準機関誌「星条旗新聞」で報じているほどだ。厚木艦載機部隊を受け入れる器作りが しっかり確保されつつある。

私はこの配置計画図からもう一つ大きな問題点を発見した。それは現在の滑走路と建設 中の新滑走路を結ぶ3本の誘導路計画が上げられているのだ。
現滑走路での離発着は工場 上空にかかり危険、だから1q沖への移設が始まった。今の滑走路は移設完成後は勿論、 使わないハズだった。私は11月11日、ピースリンクの仲間と広島防衛施設局に出向きこの 事で要請と公開質問状を提出し説明を求めた。
国は完成後、現滑走路は使用しないと言う ものの、誘導路を作る明確な説明をを避けた。今ある米兵や家族の旅客ターミナルと新滑 走路を結ぶ連絡誘導路だと言い張る。

 この配置計画から現事業は正に、基地拡張・滑走路を2本にする工事を進めている事に 他ならないと確信した。又前面に建設された水深13mの大型岸壁は、延長360mだが空 母の入港は出来ても係留出来ないことが判った。しかし今後、岩国基地での港湾基地とし ての価値を考えればこの岸壁はさらに延長するレイアウトも備えており、警戒が必要だ。

こうした一連の計画は「公有水面埋立法」での変更手続きが必要で、11月1日付けで 山口県へ提出されていたが、山口県知事は11月18日、これを承認した。
 承認した理由を山口県は「民間空港再開を推進する上で、配置変更が必要であると判断 されること。」と説明した。しかしその記者発表資料の中では、同様に変更手続きの必要 な「誘導路部分」の変更の承認にかかる説明は何も無かった。

 添付された「新旧の計画図」には誘導路も入っているし、勿論その「誘導路」は埋め立 て部分で変更の手続きが必要な場所である。うがった見方で類推すれば、国の意向に沿っ た2本目の滑走路計画に山口県は手を貸したことになる。

 「米軍再編」問題で『今以上の基地機能の強化には賛成出来ない』と言うのであれば、 このたび明らかになった岩国基地沖合移設後の施設配置案はどう見ても「再編受け入れ」 の可能なレイアウトとなる可能性が高く、今後の市民の監視が重要になる。

 弾薬庫や駐機場の規模などについても問題は多く、関係資料の情報公開を求め内容を精 査、今後も追求していかなければならない。

(田村順玄・岩国市議)


'2005-11-25|HOME|