「KC130空中給油機、C2空母連絡機も岩国」と通告


岩国基地でタッチアンドゴー訓練を行う、普天間基地所属のKC130空中給油機(2005年6月21日 撮影)

 4月14日、在日米軍再編を巡る日米審議官級協議が東京で実施された。この中で、沖 縄・普天間基地のKC130空中給油機の移駐先を岩国基地とし、これまで取り沙汰され てきた鹿児島県・鹿屋やグアムでも分散訓練を行う方針を日米が確認した。

 もともと普天間の空中給油機は10年前の日米合意で今回と同じ12機を岩国基地へ移 転することが決まっていたが、厚木艦載機部隊の岩国移転との絡みから「鹿屋案」が浮上 していた。しかし、米軍の強い希望で、やはり「本命は岩国」。司令部や家族の住宅を併 せ「岩国」に落ちつくことが決まった。今度は、堂々と岩国・鹿屋・普天間で多彩に訓練 が可能になる配置が決まったのだ。
 マジックで、箱からドンドン出てきて置かれるテーブルのように、日米政府の最後の受 け皿は今回もやはり「岩国基地」だった。

テロや大規模災害・人道支援はどこへ消えた?…大型ヘリ8機はグアムへ!

 一方、こうした『重荷』を軽減して差し上げると、5年前に突然岩国に押しつけてきた大型ヘ リコプター「CH53D」8機を、グアムへ移転させるという結論も出た。
当時、防衛施設庁からわざわざ岩国市へ来て、議会で説明した時の配備理由はどこへ消えたのだろう。
施設庁は『テロや大規模災害に際し、迅速に行動する大事な任務・・』と説明し、これを受けた市長は、「人道的見地に立って、特別な例として配備を容認する」とこれを受け入れた。

 そのヘリは知らぬ間に沖縄・普天間基地に移り、そこからイラクの戦場に行った。イラクに行く直前には、そのうちの1機が沖縄国際大学に墜落した。
イラクに行ったヘリは昨年4月に普天間基地に戻り、その後CH53E型と交代してグアムに戻った。普天間基地のヘリはイラク戦争開始前と同じ状態に戻り、岩国に来ていたヘリは実質的にグアムへ移ってしまっている。
実質的にグアムに戻っているヘリ部隊を、あらためてグアムに戻すと言っても『重荷』の軽減策にはならない。5年前に8機配備した理由が米軍の都合でしかなかったことを、自ら語っているのと同じだ。

(リムピース運営委員・岩国市議 田村順玄)



'2006-4-15|HOME|