岩国基地で海兵隊FA18が緊急着陸


金魚のフンのように着陸拘束フックを下ろして滑走路上空を通過するFA18ホーネット(4月25日 17時01分)


拘束フックをワイヤーにかけて止まったホーネットを囲む緊急車両と、エンジンを覗きこむ消防士(17時11分)


滑走路上を牽引されて駐機場に向かう緊急着陸機(17時25分)

4月25日午後5時過ぎに、岩国基地に展開している海兵隊のFA18ホーネットが緊急着陸した。ほぼ1時間前に離陸した6機のうちの1機だ。

滑走路上の拘束ワイヤーにフックを引っ掛けて止まったホーネットに、兵士が駆け寄った。真っ先に調べたのがエンジンだった。この機体はエンジン不調で緊急着陸したと見られる。

緊急車両が6台、緊急着陸機を囲んでいた。緊急点検終了後もこの機体は自走出来ずに、牽引されてMAG−12の駐機場に運ばれていった。約30分滑走路が閉鎖され、上空では海兵隊の連絡機UC12が旋回を繰り返して待機していた。

その翌々日の27日10時40分ころにも、海兵隊のホーネットが拘束ワイヤーを使って着陸した。着陸前に何回も、脚を出したまま基地上空を旋回していた。脚の固定が不完全なシグナルが出ていたのではないか。
着陸後短時間でフックを外して、ホーネットは自走して滑走路を離れた。25日の緊急着陸ほどの深刻な事態ではなかったようだ。

しかし、正味48時間以内に2回もこういう事態が起きるのは、整備態勢に問題があると見ていいだろう。政府の通告通りに艦載機が岩国にやってきたら、こういう緊急事態はもっと増えることは容易に想像がつく。緊急着陸などは重大事故の1歩手前の危険な状態だ。何度もこんなことが起きるのは、岩国基地が今でも危険性が高いことを示している。もし艦載機が移転してきたらどうなるか、考えるだけでも恐ろしいことだ。

(田村順玄・岩国市議、リムピース編集部)


着陸拘束フックを下ろして何度も滑走路上空をパスしたFA18ホーネット(4月27日 10時29分)


拘束ワイヤーを使って止まったホーネットと、機体に近づく兵士(10時39分)


'2006-4-28|HOME|