戦闘機の岩国出発ルート


米軍パイロット必携の国防総省発行のハンドブックより。岩国発北行きの飛行ルート


飛行ルートと訓練空域を地図におとしたもの。2つの空域と韓国行き戦闘機は浜田ポイントを経由する。

米国防総省の飛行情報を集めたハンドブックを入手した。岩国基地への着陸ルート、岩国基地からの出発ルートが記載されている。 トップに掲載したのはそのうちの HAMADA NINE DEPARTURE(浜田9出発ルート)の一部だ。

このルート図に出ているHAMADA POINTO(浜田ポイント)とEAGLEはそれぞれRJA567とR134という米軍の訓練空域に含まれる。 岩国基地からの海兵隊戦闘機の訓練のほぼ半分が、このRJA567とR134で行われている。また、韓国の訓練空域や在韓米軍基地に 向かう海兵隊戦闘機も、この浜田9出発ルートを通る。

この出発ルートについては、文章で記述されている。南向き、北向きのどちらの離陸を行っても、岩国TACAN(電波標識)から10 ノーティカルマイル(約18キロメートル)の半径の弧上を飛び、岩国TACANから10度の方角に来たときに右に旋回して、10度のライン に沿って浜田ポイントまで飛ぶ。その後、目的地別にトランジション(遷移経路)をたどる。
美保経由で北に向かう機体、浜田ポイントからRJA567(567エリア)で対地攻撃訓練を行う機体、R134で空対空戦闘訓練を行う 機体、R134の手前で北よりに針路をとり韓国の基地や訓練空域に向かう機体、この全部が浜田ポイントまで飛行するのだ。

浜田9出発ルートに乗った戦闘機は、岩国から18キロの円周上を飛行するが、そのとき世界遺産の宮島の真上を通る。
昨年2月に防衛施設庁が住民説明のために作った「岩国飛行場にかかわる航空機騒音予測コンターについて」という資料では、艦載機 移転・滑走路沖合い移設後の飛行ルートとして、現行の宮島上空を通過する経路より東に寄った経路を「設定」している。しかし、宮島の 東を抜けたあとのルートが示されていない。浜田ポイントに向かうルートだから、この「移設後の経路」は広島の市街地の真上を通過する のだろうか。さらに広島市街地の東を通ると、今度は広島空港の空域に接近する。
このルートひとつを考えただけでも、艦載機移転が岩国だけの問題ではないことは明らかだ。航空機の騒音、墜落の危険が広島市街地まで 拡散するかもしれないのだ。

(田村順玄・岩国市議)


「岩国飛行場にかかわる航空機騒音予測コンターについて」10ページの飛行経路図


'2008-6-13|HOME|