テロに怯(おび)える米軍家族住宅
フェンスは頑丈なワイヤ−で防護!


米軍住宅のフェンス奥に張られた太いワイヤー

 年明け早々の1月6日、愛宕山問題などで福田良彦岩国市長と意見交換をした二井関成山口県知事は「用途が米軍住宅と言うのなら売ら ない」と言い切り関係住民に期待を抱かせた。しかし開発された愛宕山開発の跡地は国にとっては、「米軍住宅」としてしか必要ない土地。 なんとかしてこの土地を手に入れ、厚木から移転してくる米兵のための住宅用地として確保したいと焦っている。
 そんな国の思いを受け止める二井知事は、本音とは背反する冒頭のような発言を披瀝したものの、愛宕山を米軍住宅へと妥協する意思に 変わりない。あとは岩国市民に口から出た法螺(ほら)のつじつまを合わすために、「米軍住宅は危険な施設ではない」という言い訳でこ れを乗り切ろうと企む。地元では自民党と連立する某政党の下部組織が、「逗子に行ったら平和な風景だった」と安全神話を振りまき後押 しをする。     

米軍住宅は決して、安全な施設ではない!

 基地から米軍の専用橋を越えた門前川河口に、米軍家族住宅エリアがある。戦前、愛宕山の周辺に防空壕を堀り、零戦を避難させる為に 作られた広い道路がある。この道路に接した側は「門前・菊地市営住宅」という市民の生活エリア。
 米軍住宅はその広い道路と鉄条網のフェンスで囲まれ、フェンスには「米軍住宅側は駐車禁止」という赤い看板が目立つ。イラクでよく ある、停め置かれた車両の爆弾テロを恐れた措置だ。
それだけではない。米軍住宅を囲むフェンスの地面から1メ−トル上がった辺りに、 直径20ミリはあるワイヤ−が張られている。どういう目的なのか最初は理解出来なかったが、真相はなんと爆弾を積んだ車の突入防止ら しいと判った。

 「家族住宅エリアの子供や家族が人質にされたら大変!」という防護対策のようで、かって9・11テロの後、基地内の学校は重大警戒 施設とされ司令官の子供などは厳重警備をしたという。しかしその頑丈なワイヤ−は少々で切れる様な稚拙なものではなく、このワイヤ− を突き破る爆弾テロなど起これば周辺はきっと大惨事だ。

 そんな事は起こらないとは思っても、米軍は大まじめでこうした防護をしているのだからこれが必要ということだ。散歩がてらに、ぜひ 現地で見てもらえば良く判る。
米軍住宅は決して安全な施設ではないということを、分かりやすく証明した一例だ。愛宕山に米軍住宅は決 して歓迎出来る施設ではないという、具体的ケ−スだ。

(田村順玄・岩国市議、おはよう愛宕山09.2.1より)(写真は 09.1.29 撮影)


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