岩国爆音訴訟 第1回口頭弁論
原告476人が国の無法を訴える!
岩国爆音訴訟第一回口頭弁論で、山口地裁岩国支部に向かう原告団
3月23日、総数476人という大原告団で提訴した岩国爆音訴訟、その第1回口頭弁論が7月9日午後2時から山口地裁岩国支部で
あった。
全国各地の主要な軍事基地で違法状態の航空機騒音を阻止するため取組みが進む中、例外的にこれまで爆音裁判が取り組まれなかった
青森県・三沢基地と岩国基地。
基地に寛大とも見えるこうしてゆるやかな住民感情を逆手に取り、国は岩国市民に次々と基地機能の強化を押しつけてきた。その極め
つけが厚木基地から空母艦載機を岩国へ移転させるという「米軍再編案」だ。もう我慢出来ない!と、国が作った環境基準も破っている
違法状態の爆音に、岩国市民も遂に立ち上がり「ノ−」の訴えを起こした。
岩国基地には本土では岩国だけに駐留する海兵隊の部隊が、連日激しい訓練を繰り返し市民に爆音をまき散らしているが、その上に海上
自衛隊の航空機部隊が同居する。海上自衛隊は大型ヘリコプタ−や哨戒機・救難飛行艇など多彩な機種が配備され、同様の爆音をまき散ら
す。
岩国基地はその上、全国他の基地で約束されている訓練時間が22時までという取決めがここだけ、深夜23時まで認められている迷惑
な基地である。
それでも岩国市民はこの基地と共存出来る最良の方策として、滑走路の沖合展開による爆音軽減や危険回避を期待し永い間その実現を
願った。基地が所在するその街の住民から基地の拡大を望む、国にとってこれほど有り難い千載一遇の構想を「渡りに船」と求めてきたの
が「艦載機移転」であり「沖縄からの空中給油機の移転」という、岩国基地活用案であった。
このように元々、「国を訴え、裁判を闘う」など起こりうる土地がらではなく、全国でも最も訴訟など起こせないだろうと思っていた
岩国で起こされた爆音裁判。9日の初公判では原告3名が口頭陳述に立ち、戦後63年間我慢をしてきた爆音被害の実態や思いのたけを
切々と訴えた。
山口県に加え隣県広島の弁護団も加わった11名の弁護団が全国の爆音訴訟団とも連携を重ね、初の口頭弁論に立ち向かった。公判は
原告3名の陳述に続き吉川弁護団長と田畑弁護士の意見陳述、支援に駆けつけた沖縄・嘉手納基地と普天間基地、神奈川・厚木基地や東京
・横田基地の各爆音裁判の弁護団も応援弁論に立った。
画期的な初公判を盛り上げたのは150人近い原告とそれを支える支援者の傍聴行動、岩国地裁は法廷にパイプいすを持ち込み臨時の
傍聴席を確保、50人余のスペ−スを確保したがそれでも大部分は法廷外での待機となった。しかしこうした訴訟団の熱意は裁判所にしっ
かり届き、この裁判を確実に受け止めなければとする方向性が示された。
閉廷後の進行協議で裁判長は大変な手間と陣容を必要とする公判体制について、今後も同様に維持することを約束し、明年2月まで向こ
う3回の公判日も決定した。次回口頭弁論は10月1日(木)14時である。
口頭弁論終了後、原告や支援者は近くの会場で報告集会を開催、弁護団からの公判の状況解説を受け、津田利明原告団長の発声で「ガン
バロ−!」を唱和しこれからの奮闘を誓い集会を締めくくった。
岩国基地をはじめ全国で頑張っている「米軍再編阻止」の取組に大きな励ましとなる「岩国爆音訴訟」の行方が注目されている。
(田村順玄・岩国爆音訴訟の会 共同代表、岩国爆音訴訟を支援する会 代表) (写真は 09.7.9 撮影)
「岩国爆音訴訟勝利に向けて、団結ガンバロー!」
裁判後の報告集会で、さらなる支援の集中を訴える筆者
2009-7-11|HOME|