岩国市議選・3回連続トップ当選
2,838票 この結果こそ、地元住民の民意だ!

米軍再編計画で厚木からの空母艦載機59機と、これら移駐部隊の兵士・家族が移り住む住宅を建設するという愛宕山開発跡地への米軍 住宅建設の是非を焦点にした山口県岩国市議会議員選挙が10月24日に投開票され、筆者は2,838票を獲得、3回連続のトップ当選 を果たした。
国が確保している199億円という愛宕山開発跡地買い取り予算は年度も後半に差しかかり、まさに執行を焦っている政府の動きが読み 取れる正念場の状況。こうした時に行われた岩国市議会議員選挙であった。

 筆者は1995年4月の統一地方選挙で初当選、以来15年半「リベラル岩国」という反戦・平和を旗頭にした一人会派で議員活動を続 けてきた。今回が5期目の立候補、焦点の愛宕山・その真ん中に住む候補者としてこの選挙の意義を最も感じている一人である。
 民主党政府の沖縄に於ける基地問題の迷走はいよいよ泥沼化、知事選後の対応は大きく転換せざるをえない雲行きだ。そうした中、自民 党政府時代に作られたパーケージと言われる米軍再編計画をそのまま確定したい政府の思惑は「実行出来る所から既成事実を積み上げてい く」という、まさに岩国から落として行きたい企みだ。

2,500億円という巨費を投じて完成した岩国基地沖合移設事業は、岩国基地を4割拡張しまさに厚木や沖縄の基地の受け皿として待機 させた状態。大きな混乱もなくこうした大事業を「地元の悲願」とまで言わせてここまで進行させた現実を、国はよく読み取っている。 岩国基地こそが当面のターゲット、出来る場所から進めていくという図式である。

 今回の選挙でマスコミは岩国市民のこれからの動向を大きく注視しており、山口県知事のおうむ返しのように繰り返す「地元の意向を 尊重する」という発言と、民意といわれる住民の意思判断が問われた。
しかし知事の「地元の意向」とはそこに住む住民の直接の意向ではなく、こうした住民に選ばれて出てきた市長や議員の意向だとばかり 言う。

 マスコミ各社が事前や選挙中に行ったアンケートや取材では、有権者に候補者が伝える主張や政策がなかなか具体的に伝わらず最後まで 曖昧に連呼だけ繰り返される選挙戦が、相変わらず今回も続いた。
 一方筆者は、まさにこうした課題の中心的な場所に住んでいる議員の一人として逃げてはならない、曖昧な態度は許せないと徹底的な 辻立ち作戦で市民の前に出てゆく選挙戦に望んでいった。
出発式から23日の街頭行動終了マイク納めまで、全市内で辻立ちに臨み最終的には115回「辻立ち」をおこなっていた。


街頭演説と115回の「辻立ち」(10.10.21,22 撮影)

 辻立ちの会場では僅か5〜6分間の演説だったが、終わるころには必ず何名かの聴衆が筆者を囲み熱烈なエールが伝わった。
「連呼だけで名前も覚えられず 表に出たときには車は走り去っている、こんな候補者ばかりの中で田村さんのお話はよく分かった」と 熱烈に支持を約束して立ち去る、全く知らない方も度々出くわした。

 10月21日、8月から始めた「愛宕山見守りの集い」の第7回目のすわり込み。筆者は街宣行動の時間を差し替え現場に直行、米軍 住宅反対と熱心に行動を進める愛宕山を守る会や同連絡協議会の皆さんと共に座り込んだ。
地元では9月7日、私たちの仲間である地元の自治会長が米人軍属の運転する車でひき殺される事故が起こったばかり、米軍住宅建設には 反対だという意識にみな満ちている。
筆者が今市民に伝えている辻立ちの主張が本当に確かな市民の声だと確信し、続けての街宣行動を継続した。

 こうして取り組みを進めていった今回の選挙も24日の投開票日を迎え、いよいよ開票が始まった。刻々と入る速報に一喜一憂、早い開 票作業の進行で吉報は早々に、当選が間違いないことが判った。
4年前に比べ投票率が6%近く下がり、つまり投票総数が9千票あまり減少した中で、あとは最終的な得票数の結果である。結局、 3,075票という前回得票を若干下回ったが、結果的には2位に400票引き離す3回連続のトップ当選が実現した。

 続々伝わる他の候補者の結果も固まり、全体的には筆者と行動を共にする仲間の体制は従来と大きく変わらない、つまり政府や県知事・ 再編を指向する現市長の姿勢を転換させるまでには及ばない残念な結果であることが判った。
 しかし筆者は「今回の選挙で勝ち取った2,838票、3回連続のトップ当選という数字こそが、まさに地元住民の本当の民意だ」と はっきり宣言。その上で山口県知事がいう地元の意向とは「市長や議会の勢力だけで判断出来るものでは無い、まさに米軍住宅や艦載機 受入れ反対をハッキリ伝え、その主張を受け入れてくれた有権者の投票結果・これこそが本当の地元住民の民意である。
曖昧な態度で終始する議員の動向も注視し、住民意思に沿った市政が進められるよう議会の中で奮闘をしたい」と決意を行った。

 筆者は今回の選挙戦を通じ体験した多くの経験を財産に、引き続き頑張っていく決意である。  

(岩国市議会議員  田村順玄 2010.10.26記)


2010-10-30|HOME|