岩国基地旧滑走路の拘束制動装置を使って緊急着陸した海兵隊FA18(2006.4.25 撮影)


2011年1月21日

岩国市長 福 田 良 彦 様

追跡・在日米軍「リムピース」   
運営委員 田村 順玄(岩国市議)

米海兵隊岩国基地の施設配備に関する質問と要請

 米海兵隊岩国基地では沖合移設事業の進展により、昨年5月からは新滑走路の運用が始まりました。そして、「米軍再編計画」に伴う 施設整備工事も多額の「思いやり予算」を使い進められています。
 こうして岩国基地の機能強化は目まぐるしく、昨年10月12日に私から要請と照会をお願いした「米海兵隊航空計画(2011会計 年度)」の実態など、市民の日常生活へも不安と心配を増幅させる原因となっています。
 この度は以上のような背景の中で、また新たに浮かび上がった岩国基地の施設配備に関する疑問について貴職にお尋ねします。さらに 、昨年10月に質問しご回答頂いた事案についても、その後に私が知り得た情報によればそのご説明も納得出来るものでは無い為、あらた めて質問を致します。
 貴職におかれましては、市民の安全・安心を第一に行政を推進されるのが最大の職務と思いますが、どうかそのような観点でこの要請に ついて対応されるよう要望します。

1.岩国基地沖合移設事業により整備された飛行場施設のうち、滑走路の東側に建設された「並行誘導路」に『アレスティング・ギア (拘束制動装置)』が設置されています。 
  この事実について岩国市は承知しておられますか。またこの装置について岩国基地か らは岩国市に対し、どのような通知がされています か。

2.「誘導路」において『アレスティング・ギア』を設置する目的は何なのか、お尋します。
この誘導路を使用して、航空機が離発着することが有るのですか。もしそういう事があるのなら、もう一本滑走路が増えることになり、 大幅な基地機能の強化です。

3.この誘導路を利用して、再編計画にある艦載機など岩国基地に在籍する航空機が輻輳 した時の代替滑走路という位置づけがあるので はないですか。岩国市として、このような疑問を米軍・政府へ示し、明確な答弁を求めて下さい。

4.昨年10月12日付け文書にて質問した「KC130空中給油機」へHARVESTHAWKと呼ぶ、輸送機を偵察機・爆撃機に変え るキットの装着が計画されていることを指摘しました。その後、貴職の照会に対し防衛省の回答が示され、とりたてて問題にするようなこ とでは無い旨のお答えがありました。
 しかし私はその後の調査により、これが全て事実であった内容を本年1月11日以後の私のホームページで公表いたしました。すなわち、 「ハーベスト・ホークを装着したKC130J空中給油機」は昨年の10月からアフガニスタンに派遣され、米軍の作戦行動に参加してい ることが分かったのです。そして、米軍自身のホームページでは11月5日に「装着されたミサイルを発射して5名の敵兵士を殺した」と (第3海兵航空団ニュース2010.11.17) で説明しているのです。さらに2010年11月23日には「KC130Jがハーベスト・ホークを発射し、8人から10人の敵の兵士を殺した」と(2010.11.29 MARINS のニュースページ) で伝えています。 このような事実が公表されてもなお、なにも関心も持たず、予定通り岩国基地にこのような装備をした航空機の配備がされることは大変 な脅威です。改めて事実の照会を求めます。さらに、貴職におかれては至急、以上の様な事実をまず確認されるとともに岩国市として 「KC130J空中給油機」の配備の容認を撤回されるよう要請します。

5.以上の要請と質問について、すみやかに対応され文書により回答されるよう申し入れます。



普天間基地のKC130J。ハーベスト・ホークを搭載して爆撃機に変身する(2010.8.19 撮影)


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