辺野古と馬毛島での新基地建設許すな!
もはやそこに住む住民の感情やその後の成り行きなど一切構わず、「年内提出」を公言していた沖縄・辺野古新基地建設の環境影響評価
書が御用納めの12月28日、沖縄県庁に届けられた。まさか行政のやることかと言いたい、午前4時の持参である。知事をしてその後に
続く公有水面埋立て手続きでは、沖縄県の埋立て承認は絶対にあり得ない状況の中で、さらにその後の手続きを難しくするような姑息な
行為だ。これが一体、一国の政府機関のやることか。そろそろ民主党政権の終わりが見えたと、焦りすら感じる拙速な新基地建設の動きで
ある。
こうして、辺野古への新基地建設はさらに遠くなった。つまり政府プログラムにある普天間基地からの空中給油機の岩国への先行移転
も、実施が難しくなった。連動して厚木から岩国への艦載機移転も予定通りの日程は組み立てられない。
新基地施設を建設する同様の動きは沖縄以外でもあり、鹿児島県の馬毛島FCLP基地建設の動きも際立っている。9割以上の島内用地
を所有する業者が切り開いた馬毛島は、かっての緑かはぎ取られ4千メートルの滑走路敷地がくっきりとその姿を現す。言うまでもなくこ
の滑走路が岩国基地に移駐して来る空母艦載機が、着艦訓練を行うための施設となる。政府は12年度予算でもしっかり調査費を計上し
た。
昨年6月に行われた日米安全保障協議委員会(2プラス2)で、日米政府が改めて確認した安全保障政策はこれまで進めてきた再編計画
のさらなる確実な実施であった。日本政府はこの重たい宿題の履行で大きな荷物を背負い、米国政府への忠節の証として再編計画実行に
一層力を入れはじめた。
しかし日本政府はその協議で、普天間基地の代替滑走路が2014年までに整備出来ないことを認め、パッケージと言ってきた米軍再編
計画が最早「実現可能な所から」しか進められないことが明らかになった。こうした動きが即ち、岩国基地の再編計画でありそれに連動し
た鹿児島県の馬毛島へのFCLP基地建設である。(続く)
(岩国市議・リムピース共同代表 田村 順玄)
米軍再編の主要な舞台の一つとなっている岩国。その市街地を愛宕山から望む(11.12.31 撮影)
2012-1-2|HOME|