2012年を希望の年に!
「岩国基地の機能強化」と「愛宕山の米軍住宅」に反対を貫こう!(4/止)

基地強化・基地被害に私たちは立ち向かう


自治会長が2010年9月に米軍属にひき殺された現場(11.12.29 撮影)

 2011年、岩国基地はこの他にも多くの問題が次から次へと私たちの前に立ちはだかった。2500億円を掛けた岩国基地沖合移設事 業が完工し、1000メートル沖合に移った滑走路からは2機編隊の米軍機が我物顔で市民の頭上を飛び回る。世界遺産宮島の上空を、 広島県の山中を、土蔵が倒壊する超低空飛行で住民に被害をまき散らす。

 その新滑走路に並行する誘導路には、アレスティング・ギアと呼ぶ緊急非常停止装置が設備されていた。筆者はこれを告発した。まさに 誘導路まで使った基地機能強化の企みだ。

 9月には海上自衛隊の開放行事があり、これまた筆者が基地内から強制退去の措置を取られた。筆者には岩国基地司令官から封書で 「好ましくない人物」と回答があった。自分たちにとって都合が悪い人物は「よき隣人」と認定しないのだ。

 震災対策と称し60億円余を使って「トモダチ作戦」を行い、その美談をフルに活用した結果、年間数千億円の思いやり予算の継続も ふんだくった。

 一昨年9月の自治会長をひき殺した米軍属の交通事故。その事故から4ヵ月後に沖縄で発生した同様の事故では軍属が起訴された。 満足出来るようなものでは無いものの、地位協定の運用見直しの結果だ。にも係わらず、岩国の事故の加害者である軍属女性はその見直し が適用されず理不尽な扱いが続いている。
ここにも又、政府の姑息な運用への扱いが見えてくる。岩国では住民の怒りがまだ足りないと言うのか、こういう事故まで基地拡大策の駆 け引きに使うという卑劣な国の根性は許されない。

 岩国基地に向けられた日米政府の企みはまだまだ続く。いよいよ現実になった「オスプレイ」の配備や、艦載機の先行移駐と見まがうよ うな「スーパーホーネット」の集中飛来、雪崩のようにこうした施策を宣撫するために防衛省が差し向ける「基地周辺事業」も露骨だ。
岩国市長が政府に向かって「はい!」と言いさえすれば国側の思惑がスムースに進む。国は実行出来る街から先に、どんどんと「再編」 を具体的に進めていく。

 こうした日米政府の執拗な動きを素早く読み取り、あくまで粘り強く、これに立ち向かっていくことこそが、今の私たちに求められる ことだ。それは決して大きな力では無いかも知れないが、ここはもう一踏ん張りこうした困難をはねのけみんなで前進をしてゆかねばと 決意する年の始めである。

(岩国市議・リムピース共同代表 田村 順玄)


2012-1-2|HOME|