オスプレイ、岩国基地から初飛行を強行



早朝からオスプレイ飛行開始の抗議行動が行われた


タクシーウェーをヘリ滑走路に向かうオスプレイの隊長機



飛行するオスプレイに、日米政府に、海兵隊に、抗議の叫び

   9月21日(金)午前8時、川土手にはテレビ局の中継車や報道陣の車がギッシリ、しかしその現場の遙か手前から市道は一般車両の乗り入れが禁止された。道幅が狭く離合も出来ない、 混乱を回避するためには我慢もしかたないだろう。テクテク歩いて現場に到着した。現場には市民団体の仲間が約60人、運動の好機とばかり県外から駆けつけた新左翼の数団体も加わり公安の 警備はそちらにシフト。

 午前8時55分頃にまず隊長機が駐機場を移動しはじめ、誘導路を自走、滑走路の東側誘導路にあるヘリコプターパットに到着しホバーリングを始めた。9時25分には滑走路に入り北へ向け ヘリモードで離陸、基地沖を旋回し飛行モードに切り換えて南側の水面に消えた。ついに日本本土でオスプレイが始めて飛行を強行したのだ。
このあと次々に試験飛行が始まり、結局この日は2度飛行した隊長機を併せ7機のオスプレイが試験飛行を行い瀬戸内海を南に飛行、途中の島々や下関市の市街地上空もかすめ訓練空域「R134」 で訓練飛行を行ったと見られる。

 指摘しておかなければならないのは、この日飛行した7機のうち数機は東側誘導路側のヘリコプターパットではなく駐機場に近い旧滑走路を使ってホバーリングをおこなったことだ。旧滑走路は 岩国基地沖合移設事業で3年前に閉鎖され、その北側半分は舗装もはぎ取られ更地になっているが、マスタープランでも明らかになった南側半分は残されている。
 筆者はこの措置をまさにオスプレイ用に存地したのだと市議会などで指摘してきたが、米軍や国は残した滑走路は将来は駐機場として使用すると説明してきた。しかし、これまでもこの滑走路を 使ってヘリのホバーリングなど使用した事実があり注目されていた施設だ。それがやはり、オスプレイを運用ためさっそく使用したという事実が明らかになったのだ。
こうしてこれから、10月までにはオスプレイは沖縄へ配備が強行される流れになったが、結局は岩国基地に恒久配備せざるを得ない状況が見えている。

 そんなことはどうなろうと、一番喜んでいるのは、「岩国錦帯橋空港」の12月13日開港を待望する岩国市長だろう。「ともかく今はこの先どうなってもいいから、当面、岩国からオスプレイ は消えてくれ!」こう言っている市長の声が聞こえるようなオスプレイの初飛行だった。
 先を急ぐ米軍は、お休みである22日の土曜日も何機もオスプレイの飛行を継続させ、市街地の上空を飛んだという目撃の指摘が多く入ってきた。

(田村順玄・岩国市議・RIMPEACE共同代表)(12.9.21 戸村 良人 撮影) 


ホバリング中のオスプレイ


2機目のオスプレイの離陸。21日中に離陸した中には、旧滑走路でホバリングしたあと離陸したものもあった


2012-9-22|HOME|