岩国基地をめぐる3裁判にもご支援を!

 岩国基地の再編強化を巡っては08年2月以来3件の裁判が提起され、それぞれ地道な取り組みで熱心に進められている。しかし最初の提訴から早くも5年の歳月が経過した。
 弁護団の先生方のご努力のもとに、理不尽な艦載機押しつけや新たな爆音被害・米軍住宅建設を阻止する為、厳しい取り組みが続いている。改めて現在進行中の3つの裁判を振り返ってみた。

 1.海の裁判
 沖合移設事業埋立処分取り消し請求訴訟  (広島高裁)
 岩国基地沖合移設事業の埋立処分の無効を求める裁判である。08年2月に提訴、艦載機59機の押し付けや基地機能強化の元凶「岩国基地沖合移設事業」の埋立無効を求めた裁判で ある。
昨年6月、山口地裁は不当にもこの裁判の請求を却下する判決を下した。明治憲法下に出来た公有水面埋立法では国は悪い事をしないという前提があり、仮に裁判所がこの埋立の無効を下して も現状回復は命じられない。だから審理してもムダというのが判決理由。
 田村順玄原告団長らはこの法律そのものが問題だと、広島高裁に控訴した。昨年12月12日に控訴審が始まり、広島高裁はこの裁判で私たちが問題としている前時代的な公有水面埋立法に ついてその問題点を汲み取り、今後法律そのものについて研究すると言う審理方針が示された。第2回口頭弁論は3月11日 (月) 午前10から、広島高裁で開かれる。

 2.山の裁判
  愛宕山開発事業認可取消請求訴訟    広島地裁
 09年7月に提訴、愛宕山開発事業で新住宅市街地開発事業を投げ出した県住宅供給公社の事業認可取消し申請を認可した国土交通省の処分無効を求める裁判である。この裁判は「愛宕山を守 る会」の岡村寛代表や田村市議や周辺住民が原告になり、これまで14回の口頭弁論が広島地裁で続けられてきた。 審理も大方出尽くしあとは我々原告側が求めた証人証人尋問を残すだけ。これが終われば結審の運びとなる。
国土交通省はこの裁判で新住法にも明記されていない事業中止の法律的な根拠を法律同様に示すことが出来ず、無責任な事業中止の一端が露呈した。
 次回裁判は2月13日 (水)午前10時から広島地裁で開かれる。この日、申請した証人尋問の人選があり、以後証人尋問が行われる。証人尋問の後、秋頃判決が出てくる見通しだ。


「元日愛宕山見守りの集い」。愛宕山開発跡地を見下ろす公園の一角で、通算86回目。参加者はこの日で、4525人となった。
午前10時から各自が新年の決意を披露、甘酒を振る舞い、〆は恒例の「愛宕山を守る歌」を合唱して、さらに頑張る決意を固めた。
(2013.1.1 撮影)
 

3.空の裁判
  岩国基地爆音訴訟   山口地裁岩国支部
 岩国基地周辺の爆音被害75デシベルを越える地域にに住む654人の人達を原告に09年3月に提訴した空の裁判。
艦載機が来れば岩国基地の爆音はさらにひどくなる。岩国基地ででの航空機の飛行差し止めや厚木からの艦載機の移駐差し止めを求め、爆音被害の補償を求めている。さらに昨年夏、岩国基地に 陸揚げされたオスプレイの飛行禁止も求めている。
津田利明さんを原告団長に、山口地裁岩国支部でこれまで20回の口頭弁論が続けられた。次回第21回口頭弁論は1月24日 (木) 午後2時から山口地裁岩国支部で開かれる。

(田村順玄・岩国市議・RIMPEACE共同代表)(「おはよう愛宕山」433号 2013年1月1日号から)


2013-1-3|HOME|