オスプレイ、また岩国に飛来

 
3月19日に岩国に着陸するオスプレイの2機編隊

 
3月22日、2回短い飛行をしたオスプレイ

 本土で初めての低空飛行訓練からわずか10日後の3月18日、再び沖縄から岩国基地を拠点にした低空飛行訓練が実施されるらしいという情報が飛び込んできた。しかしこの日、岩国は低気圧 の来襲で台風並の雨・風でとても風に弱いオスプレイが飛べる状況ではない。18日、オスプレイは岩国へ飛んでこなかった。

 翌19日(火)天気も良くなったが中国からの黄砂来襲で視界が悪い中、オスプレイが再度岩国へ飛んで来るという観測が広がった。しかし防衛省や行政からの報道通知は入ってこない。この日 以降「行動の写真集」を記録・編集されている地元の「戸村良人さん」が終日現場に張りつきスプレイの動向を詳しくて発信してくれた。小学校の卒業式など公務で輻輳する筆者には最高の援軍到 来である。それでもこの日の空いた時間、基地沖へと出向いた瞬間、オスプレイの飛来に出くわした。13時37分と14時08分、それぞれ2機のオスプレイ再来をこの目で確認することが出来 た。

 初めての岩国拠点訓練から11日後、しかも今回は数時間前にやっと防衛局から米軍の動きを曖昧に公表。ルートや機数・訓練形態も知らせず、全て闇の中での訓練が再開された。 予定する飛行ルートも明らかにされない中、四国方面でも具体的な監視体制は十分準備出来ない。今回も米軍の動きは不可解で有る。

 3月20日(水)終日動きが無く2日目が終わった。21日(木)も午前中は飛ばず、夕方17時25分にようやく1機(10番機)が離陸、続けて17時51分、これまた突然に予告も無く 普天間基地から5機目(5番機)のオスプレイが単独で飛来してきた。
 ここで岩国基地には合計5機のオスプレイが勢ぞろいし、全体でどのような訓練計画が意図されているのか不気味な動きが続く。

 22日(金)は13時30分に1機(9番機)が離陸し20分後13時50分に着陸、15時40分に同じ1機(9番機)が離陸、25分後には帰ってきた。この日の飛行は此れだけであった が、5機飛来しその内の1機だけが20分ばかりの短時間の飛行を繰り返しているとは、一体どの様な意味が有るのか判らない。
 3月23日(土)、お昼12時に3機のオスプレイが岩国を離れ沖縄へ、12時32分頃残りの2機が離陸して全てのオスプレイが岩国を離れた。5機のオスプレイは離陸から2時間半後に相次 ぎ普天間基地に降り立ち今回の訓練は終了したと思われるが、改めて米軍の不可解な動きが積み増された。

 オスプレイの日本配備に際し米軍が公表した環境レビューでは、「2〜6機、月2〜3日間、岩国基地やキャンプ富士を拠点に低空飛行訓練を行う」と公表しているが、今回の訓練はそのルール を早速外れて今月2度目。月2回、合計8日間岩国基地を拠点という異例な訓練を行った。

 3月だけで2度の訓練を振り返り、その期間中の訓練実態はそれほど濃密なものでは無かったが、恐らく実態はこんなものでは終わらない。私たちは決して「オスプレイはこんなものか」と安く みるのでは無く、米軍が意図している本質は必ずこれからエスカレートしていくはずだ。さらに厳しく分析し、危険な本土での低空飛行訓練等の実施を阻止してゆかなければならない。

 今回のオスプレイの訓練は、正に岩国基地を恒常的な訓練基地として展開させようとする米軍の周到な意図の基に進められているのであり、まもなく米軍は接受通報にある残りの12機を前回 通り岩国基地経由で送り込むことが予想される。24機になればさらに岩国基地拠点の訓練回数が増すことは間違いなく、分遣隊という形で常時何機かのオスプレイを岩国基地に配備することも考 えられる。

 いよいよ私たちは手を抜くことなく、一層各地での監視体制を強め共に低空飛行訓練反対の取り組みを強めなければならない。そのためにも私たちは岩国の地から、情報の発信と反対の行動を 頑張ってゆく決意だ。そして、全国的なネットワーク作りも急がれる。全国でも必ず、オスプレイをアメリカへ送り返す闘いをつくり出そう。(2013年3月24日)

(田村順玄 岩国市議・RIMPEACE共同代表)(写真は 戸村良人さん 撮影)




3月23日に岩国を離陸して普天間に戻るオスプレイ


2013-3-24|HOME|