オスプレイ陸揚げ取材ヘリへの「まとはずれの要請」

 オスプレイが又、米海兵隊岩国基地経由で7月30日に陸揚げされた。その前日、岩国市の基地政策担当部長名で報道各社へ一通のFAXが届いた。併せてその写しが報道資料として筆者の自宅 へも届けられた。

 「MV22オスプレイ陸揚げの際の取材について(お願い)」というその文書は、陸揚げ当日に報道各社が飛ばすヘリコプターの騒音に配慮を求める要請だ。文書は「児童生徒の勉学、病床の 方や日中に睡眠を取る方への影響などを危惧し取材ヘリを飛ばすのを控えてくれというものだった。何でも、昨年7月の陸揚げの際に多くの市民から苦情が届いたというオーバーな表現だ。

 確かに、今年もオスプレイの陸揚げ時には基地上空に7機の取材ヘリが飛んでいるのを筆者も確認している。しかしその飛行位置は殆ど海上であり市街地からは離れている。ましてや、岩国基地 から離発着する海兵隊のホーネットに比べれても赤子の様な些細な音で気にかかると言ったものではない。

 それにしても、こんな時だけ航空機騒音をこれだけ敏感に、しかも自粛の要請文まで出すとは一体誰に矛先を向けているのかと言いたいところだ。100歩譲って、これからは米軍に対し一々 文書で抗議や要請をするのですね」と念を押した。

 8月8日、市民団体が合同で今回のオスプレイ陸揚げに関する要請行動を岩国市に対し行った。その席で筆者は早速、文書を出した担当部長にこの件を質問した。部長は「今回の要請は決して 他意は無い。米軍機の爆音に対しては何時も同様に厳しく(口頭で)要請している。」と答えた。筆者はその(口頭)に噛みつき、「そのとおり、米軍には(口頭)ではないか」と揚げ足を、別の 参加者からも、「その上大きな爆音被害があった後でないと要請しない。事前にその様な申し入れをせよ」と厳しい声が飛んだ。

 米軍や防衛省に向かって、オスプレイは飛ばせるな!、絶対に飛ぶなとまず要請をするのが市民の安全安心を心配している基地政策行政だ。取材ヘリにいちゃもんを付けるなどお門違いも甚だしい。

(「おはよう愛宕山」2013年8月4日付け第447号「たちばなし」より)
(田村 順玄 岩国市議・リムピース共同代表)


上空を旋回する報道ヘリ(2013.7.30 戸村 良人 撮影)


2013-8-11|HOME|