「オスプレイ」第2陣  また岩国から沖縄・普天間基地へ


オスプレイ搬入に抗議するピースリンクボート船団(2013.7.30 ピースリンクボート船団提供)

 今年も昨年同様、アメリカ西海岸の軍港サンディエゴを7月15日に出港したMSCのチャーター船グリーンリッジに積まれたMV22オスプレイが7月30日朝、米軍の大型岸壁に着岸した。 入港時期も昨年と1週間しか違わず、積載船舶も同じグリーンリッジ。
 しかも今回は陸揚げ作業を報道陣に公開という自信の中、岩国市長もその模様を岸壁の側で見学する光景が報道で流された。

 グリーンリッジが見渡せる対岸の堤防土手には、今回もまたオスプレイの陸揚げに抗議する多くの市民が集まり、抗議の行動を繰り広げた。筆者も世話人を努める「ピースリンク広島・呉・岩国 」の仲間も、昨年同様ゴムボート船団を繰り出し午前7時頃から海上で抗議のアピール行動を展開した。

 午前10時からは岩国市内5つの市民団体が合同し、オスプレイの追加配備に反対する抗議行動を展開した。集まった約150人の市民は、堤防土手約1.3キロメートルを抗議デモ、昨年は 600人の市民が同じ場所での集会を行ったがその顛末を警察は大きな警備ミスととらえ、幅5メートルの幅員道路しか無い現地での集会を不許可、厳しい規制が敷かれ止むなくデモ行進での抗議 行動となった。

 こうした中、グリーンリッジの陸揚げ作業はたんたんと進み、16時55分には12機の陸揚げ作業は終了、任務を終えたグリーンリッジは18時前には基地の岸壁を離れ次の港へと去っていっ た。こうして追加配備された12機のオスプレイは1週間程度の岩国基地を離れ普天間基地へ移動すると言われていたが、事実防衛省からは8月3日に4機、5日に8機が移動すると後日発表され た。

 その後沖縄では連日大きな抗議の行動が展開される中、8月3日には2機だけのオスプレイがその上を普天間基地に着陸してしまった。しかし又もや、沖縄でのヘリコプター墜落事故発生、 米軍側の思惑は大きな誤算となった。その後政府は沖縄へのオスプレイ移動繰延べを米側に要請、次の指示が有るまで岩国基地に滞留するという措置が取られた。

 8月10日現在、岩国基地に残った10機のオスプレイは、全ての機体が試験飛行を終え、後は沖縄へ向け飛び立つだけと言う体制で待機している。
 週明けにも沖縄へ移動するという報道もあるが、いよいよ危険なオスプレイを沖縄へ送り込むことは絶対に認められない。ましてや、こんな危険な航空機「オスプレイ」を岩国の空で飛ぶことも 許されない。今すぐ、もう1度折り畳んで船便でアメリカへ送り返すべきだ。オスプレイの追加配備に、全国で反対の声を高めよう。 

(2013年8月4日付け「おはよう愛宕山」第447号より)
(田村 順玄 岩国市議・リムピース共同代表)


オスプレイ追加配備に抗議する市民たちのデモ(2013.7.30 戸村 良人 撮影)


2013-8-11|HOME|