嘉手納配備の哨戒機、岩国基地で訓練繰り返す


霧の岩国基地でタッチアンドゴーを繰り返す米海軍P8対潜哨戒機 (2014.6.4 撮影)


岩国基地の滑走路ででタッチアンドゴーを繰り返す米海軍P3C対潜哨戒機 (2014.6.9 戸村 良人 撮影)

岩国基地で、嘉手納配備の対潜哨戒機の訓練が連日のように行われている。
訓練しているのはP8ポセイドン・ジェット哨戒機とP3Cオライオン哨戒機で、いずれも嘉手納基地に交代配備で来ている機体だ。

米軍再編の動きの中で岩国基地には、厚木からの艦載機の移動と普天間基地からの空中給油機部隊の移動が決まり、基地内に格納庫や整備施設もどんどん建てられている。
さらには一部で普天間のオスプレイ飛行隊2個のうちの1個を岩国に、などという「うわさ」も出ている。

KC130空中給油・輸送機部隊の岩国への配備は7月からと、外務副大臣と防衛政務官が岩国市長に説明したばかりなのに、部隊の器材や車両が6月14日に沖縄から高速輸送船で運び込まれた。
公式の説明にはないフライングだ。そして、嘉手納からの対潜哨戒機の訓練のための飛来もまた、公式になにも通告もない「岩国基地周辺への訓練活動の影響」の増加に他ならない。
防衛省はこの6月5日に「米軍再編に係る岩国飛行場から三沢基地への訓練移転に関する訓練計画概要について」を発表した。 その中で「米軍飛行場の周辺地域における訓練活動の影響を軽減するため、岩国飛行場の航空機による訓練を、三沢基地へ移転することを計画するものであり」と述べているが、その一方で「影響を 増大する」ことばかりを岩国市民に仕掛けてきている。

狭い日本や空域がひしめく日本の周辺で、訓練空域は飽和もしくは過飽和状態になっている。「訓練移転」は訓練のたらいまわしであり、これで「軽減した」などというのは猫だましでしかない。
在日米軍を減らして、訓練空域を少なくして訓練を減らさない限り、基地周辺住民の苦痛は減少しない。

(田村順玄・岩国市議・RIMPEACE共同代表)



嘉手納基地でタッチアンドゴー訓練を行うP8(上:6.10撮影)とP3C(下:6.11撮影)


2014-6-18|HOME|