極めて早い、KC130岩国移駐のペース


岩国基地から飛ぶKC130空中給油機。バックに高速輸送船ウェストパック・エクスプレス(2014.7.21 戸村 良人 撮影)

7月15日、沖縄・普天間基地所属のKC130空中給油機部隊が岩国基地へ移転を開始した。1997年の移転決定から18年、この間にあまりにもいろいろな動きが重なり、岩国基地は艦載機移転を始め多く の基地機能強化の「るつぼ」のような状態となっている。こうした中、まず最初の2機が岩国基地に飛来するとメデイアも大きな報道体制を引いてKC130に注目した。

7月15日の移転開始初日も、正式に「移転した」と公表したのは2機であったが、「通常の運用」と称して同じ日にさらに2機が飛来するなど、全く言うことと行動が支離滅裂な米軍であった。


21日朝9時半ころ、岩国の軍港に入港する高速輸送船ウェストパック・エクスプレス(2014.7.21 読者 撮影)


岩国基地遠望。高速輸送船ウェストパック・エクスプレスは赤丸の中、白丸の中に空中給油機が並ぶ(2014.7.21 読者 撮影)

これから8月末までに岩国基地へは15機のKC130が関連資材や870人の兵員・家族とともに移ってくるというのだが、実際には1カ月も前の6月14日、高速輸送船ウエストパック・エクスプレスに 大量の機材を積み、岩国基地へ送り込みすでに移転を開始していた。

7月21日、岩国基地を臨む山の上から新築整備されたKC130用格納庫と駐機場を観測すると、なんとエプロンには9機のKC130がいるではないか。その上、エプロンから南側の米軍岸壁を見ると、 今朝やってきたウエストパック・エクスプレスの接岸が確認できた。海路運ばれた機材の第2陣である。

艦載機移転を始め多くの基地機能強化の「るつぼ」のような状態となっている。こうした中、まず最初の2機が岩国基地に飛来するとメデイアも大きな報道体制を引いてKC130に注目した。
こうして岩国基地でのKC130部隊移転は公表された日程とはずいぶん早く、その体制が作られている様子が見えてきた。

加えてここ数日の岩国基地を使ったオスプレイの飛行の実態も際立っている。18日厚木基地を飛び立ったオスプレイは14時半頃突然沖縄・普天間への飛行を変更して岩国基地へ、岩国基地では消防 車両が待機して14時45分ころオスプレイが着陸した。これは明らかな緊急着陸であり緊急事態の発生であったと類推できた。

今や市民の関心もオスプレイに向かなくなった状態の中で、新たに北海道まで日本列島を縦断し、挙げ句の果てに佐賀空港ヘまでチョッカイを出し日米政府のオスプレイ運用の悪のりが続いている が、全く大きな事故を起こさなければ良いがと愁うばかりである。

(田村順玄・岩国市議・RIMPEACE共同代表)


那覇軍港に停泊していたウェストパック・エクスプレス。20日昼に出港して岩国に向かった(2014.7.19 読者 撮影)


2014-7-21|HOME|