岩国基地を受け皿に、米軍再編計画総仕上げの動きが着々と・・

さらに進化した、イワクニ基地のいまを報告 - 2

 私たちは現市長や政府が進める岩国基地の拡大強化に反対し、愛宕山への米軍住宅の建設に反対する「愛宕山見守りの集い」を6年前から実施している。毎月1・11・21日に愛宕神社前広場ですわり込みを行い団結と運動の推進を誓い合うのだ。そう、2016年元日も迫り来る大決戦に備えこの集いに参加し、みんなの決意を確認した。

 この市長選挙を愛宕山に集う5つの市民団体の仲間は一致して、姫野敦子前市議を予定候補として支えようと彼女の登場を願った。幸いその意思は通じ姫野敦子さんが岩国市長選挙予定候補として取り組みが進行している。姫野岩国市長候補のマニフェスト・スローガンは「自立か、依存か。岩国は自立できる。」まさにあらゆる行政執行を岩国基地強化のためにすすめる現市長の企みを阻止する選挙である。現市長のあらゆる行政執行を政府の軍拡路線、岩国基地拡大強化のための防衛省下請け政治という現実に対決し、岩国市民は防衛省に頼るのではなく「しっかり自立し、防衛省に依存しない」岩国市を建設してゆくことだと宣言したことだ。

 現市長の政治手法で軍事基地岩国が建設されたあかつきには、市民に残されるリスクは膨大なもの。子どもたちに安全・安心を保証出来る社会は、絶対に確立出来ない。
 1強多弱といわれる今の国会勢力をなんとしても打ち破り、今の安倍政治に終止符を打つためには、広範な国民がひとつになって強大な国勢力に立ち向かわなければ何も実らない。私たちはささやかでも今回の市長選挙を進める過程で市民の団結を行動で示し、姫野敦子さん擁立を実現した。こうした私たちの動きに危機感を抱いた現市長勢力は、国との協力なタッグで防衛関連施策などを次々放出して空手形を乱出している。

 3年前に開港した岩国錦帯橋空港に沖縄便や羽田便の追加ダイヤを認める日米合同委員会の決定、違法な爆音だと裁判所に断定された爆音被害を軽減するため来年度は個人住宅の防音工事予算をさらに増額するとか、昨年度から山口県も再編交付金対象団体と認定し県による再編対策工事を推進することなどである。

 昨年末の市議会12月定例会一般質問において、私はそのような基地リスクに対処すべく「安心・安全対策」の現状を市長に質した。岩国市長は米軍再編で厚木基地艦載機の岩国移駐施策について、2008年9月に43項目の安心・安全対策を求め国へ要請書を出している。その43項目が完全に解決されなければ艦載機移駐は認められないと公言してきたが、あれから8年、求めてきた43の安全・安心対策はどのように解決されてきたのかという疑問だ。なぜならば、一方で5千億円を越える移駐関連整備工事を認めてきたという岩国市長の責任は重大であるからだ。


ある日出現した、米兵専用のミニ団地

 私は市長が要請した43の要請項目のうち、最初から2番目に掲げた「2.米軍構成員の規律の保持という見出しの、A基地の居住者の届出制度を創設し、居所の明確化を行うこと」という項を取り上げその実態の説明を求めた。岩国基地には現在米兵やその家族、軍属など約5千人が居住しているが、防衛省が平成25年に公表したデーターよよればその内に基地ゲート外の住宅に住んでいる関係者は1,115人ということだった。

 10年前にはその数も五百人余であったのが今や倍増している実態と、ここ数年はさらに増加していると予測出来ることから、私は質問で最新の居住実態の公表を求めた。市当局から出てきた答えは、「米側から『最近の世界規模の米軍に対する脅威により、居住者数の提供に対しより厳しい考慮が必要』として懸念が示された」ということで判らないという答弁だった。そして岩国市は、特に言い返すこともせずその答えを良しとしてこの課題に矛を納めた。岩国市が43の安心・安全要請の2番目に掲げている居所の明確化に異議を示さず、市民の住む周辺各所がテロの脅威と直結していることが明らかになりながらも、その対策は何ら取ろうとはしない姿勢は断じて容認できない。
 これで岩国市の基地行政の大きな柱を「基地との共存」と高く掲げ、きれいごととして推進しようとする、絵空事の安心・安全対策のまやかしが明らかになった。

 年が明け、厚木基地からの空母艦載機が岩国に移駐すると言われる現実が1年後に迫ってきた。沖縄・辺野古でも新基地建設を阻止するために、厳しい闘いが継続しているが、その取り組みも絶対に勝利しなければならない。それと同時に、日米政府がとりあえずこうした課題が実現しなくても・・と押しつけてくるのが岩国基地のさらなる機能強化、何としてもこうした企みを、その足元で食い止めてゆかなればならない。そのためにこれからも、したたかに奮闘してゆかなければならない。

 それを実践する具体的な行動の目下最大のテーマが、何と言っても1月24日投票の岩国市長選挙に勝利する事だ。1月24日の岩国市長選挙は、奇しくも同じ24日,沖縄・宜野湾市長選挙と同日の闘いだ。宜野湾市長選挙では現職に対峙する志村予定候補が、岩国市長選挙も現職に挑む姫野敦子さんの闘いがここに存在する。

 このふたつの町の選挙を全国の仲間が共通の課題として認識し、岩国基地のさらなる機能強化反対、普天間基地の早期全面閉鎖、辺野古新基地建設阻止という取り組みとして闘いたいものである。全国の仲間の今一歩のご支援をお願いし、新年の決意としたい。

田村 順玄 (リムピース共同代表・岩国市議) 


2016-1-1|HOME|