伊江島のハリアー訓練、岩国で


岩国基地で完成したF35用着陸ゾーンの近くで垂直着陸訓練を行なう米海兵隊のハリアー攻撃機(2016.4.4 戸村 良人 撮影)

沖縄・伊江島でのハリアーの垂直着陸訓練が2017年中ごろまで出来なくなったため、4月4日から7日の間、同訓練を岩国のヘリコプター着陸帯で行なう、と岩国基地が発表した。

伊江島では、揚陸艦のデッキを模した着陸帯の拡張工事が計画されている。
「米軍伊江島補助飛行場で予定される着陸帯の改修工事で、既存の2倍超となる867メートルに拡張する計画であることが17日、分かった。着陸帯を強襲揚陸艦の甲板に模した離着陸訓練が増加する可能性がある。」(「伊江島の米軍着陸帯、2倍超に拡張 訓練増か」 2015年12月18日 沖縄タイムス)


拡張される着陸帯(沖縄タイムス上記記事より)

伊江島で、この拡張工事が始まったために、既存のLHDデッキでの訓練が出来なくなった、と見られる。そうならば、岩国の着陸帯での垂直着陸訓練代行は今回の4日間だけでは終わらない。

岩国基地への統合戦闘攻撃機F35Bの配備は2017年1月になる(米下院軍事委員会小委員会公聴会での海軍省次官補発言。2016.3.24各紙報道)。ハリアーの後継でもあるF35Bが配備された後約半年間、垂直着陸訓練はすべて岩国で行なう、ということになる。
ハリアー部隊は今岩国に8機。16機のF35Bがやってきて、岩国基地の着陸帯で垂直着陸訓練を行なえば、この訓練で発生する騒音は、機数だけ比べても倍となる。
岩国でも、拡張工事が終わった後の伊江島でも、F35B配備による爆音や事故の危険の増加は許せない。

(田村 順玄・RIMPEACE共同代表・岩国市議)

[参考・岩国基地の広報資料]
AV-8B Flight Operations Scheduled aboard MCAS Iwakuni 4-7 April(April 3, 2016)



工事が行われる伊江島の全景と着陸帯。黒く見えるところがLHDデッキ(2015.12.19 撮影)


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