オスプレイ運搬船、サンディエゴから岩国へ


2021年6月29日、横浜ノースドックに入港し、CV-22オスプレイを1機陸揚げした自動車運搬船グリーン・レイク(21.6.29 星野 撮影)


このタイプの自動車運搬船は、船体後方のランプからオスプレイを陸揚げする(21.6.29 星野 撮影)


2021年6月29日にグリーンレイクから横浜に陸揚げされたCV-22オスプレイ(21.6.29 星野 撮影)

5月10日、岩国市は、「5月10日以降に、陸自木更津駐屯地に暫定配備するオスプレイ3機の海上輸送が開始される」こと、そして「当該船舶は、現時点では、5月下旬頃、岩国基地の港湾地区に到着し、陸揚げされる予定である」ことなどについて、同日、中国四国防衛局長から説明があったと発表した。

その5月10日(米国、カリフォルニア州の現地時間だが)、米西海岸の最大の軍港でノースアイランド海軍航空基地もあるサンディエゴを、自動車運搬船グリーンレイク(GREEN LAKE  T-AKR)が出港した。
AIS(Automatic Identification System:船舶自動識別装置)の情報にもとづくウェブサイト、マリントラフィックの表示によれば、グリーンレイクの目的地は岩国だ。
岩国への到着予定時間は、5月19日の夕方の時点では5月28日の午前9時と表示されている。ただし、マリントラフィックの到着予定時間の情報は直前まで変更されることが多く、あまりあてにならない。

グリーンレイクは、米国運輸省が所管するMSP(Maritime Security Program)に登録されている米国船籍の民間貨物船であり、「有事」のみならず「平時」においても、米軍の軍事輸送業務にチャーターされることが多い。
そして、このグリーンレイクやMSPに登録されている同型の自動車運搬船は、これまでも米軍や自衛隊のオスプレイのサンディエゴから日本への輸送を担ってきた。
グリーンレイクも2021年6月29日に、横田基地に配備する米空軍CV-22オスプレイを横浜ノースドックに1機陸揚げした。
2022年2月にも、グリーンレイクは陸自オスプレイをサンディエゴから岩国へと運んでいる。

つまり、今回もこのグリーンレイクが、陸自オスプレイの輸送を担っている可能性が高い。
もちろん、別の艦船が陸自オスプレイを積んで岩国を目指して航行している可能性もゼロではないが。

ところで、ここのところ、2021年、22年、23年と3年連続して、5月末から6月末にかけての頃に、米空軍CV-22オスプレイが横浜ノースドックに陸揚げされるということが続いている。
昨年11月にCV-22オスプレイが墜落したばかりの今年は、米軍はどうするつもりなのだろうか。

グリーンレイクが、陸自オスプレイ以外のオスプレイも積んで日本に向かっているということはないだろうか。まさかとは思うが、一応、注視しておきたい。

なお、昨年と一昨年に横浜にオスプレイを陸揚げした貨物船SLNCヨーク(SLNC YORK T-AK)は、5月10日に韓国のブサンを出港し、5月19日の時点では米国のエベレットを目指して航行しているようだ。ブサンに寄港する前は、フィリピンのスービックを5月5日に出港している。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


岩国市HP「報道発表(基地政策課担当分)」に掲載された防衛省の「説明資料」。


2024-5-19|HOME|