艦載機岩国完全移駐で、機数倍増




岩国基地における、18年4月と17年4月のジェット戦闘機の飛行機数比較(25日分)

「艦載機約60機の岩国移駐が完了した」と中四国防衛局が明らかにしたのは2018年3月31日だった。
その結果、岩国基地の飛行実態はどう変わったのか?4月1日から25日間の飛行機数を、昨年と今年についてわれわれのキャッチした情報をもとに集計してみた。

4つのスーパーホーネット飛行隊と一つの電子戦飛行隊がそろった18年4月には、海兵隊機と艦載機を合わせた飛行機数は、昨年同時期と比べて2倍以上になっている。
その原因はもちろん、艦載機(NF)の機数差だ。昨年4月の25日間ではNFが13機しか飛行しなかったのが、今年は435機になっている。

移駐してきた艦載機と、これまでも岩国にいた海兵隊の戦闘攻撃機の訓練はどの空域で行われているのか?
私たちがさまざまな情報を総合して推計した結果が下図の円グラフに示されている。円の大きさは、当該期間に飛行した海兵隊機と艦載機の機数を反映している。

艦載機の移駐で岩国周辺の訓練空域が拡大、もしくは新設された。リマ空域の周辺に広げられたのが岩国訓練空域南(ITRA−S)、日本海側に新設されたのが岩国訓練空域北(ITRA −N)と岩国訓練空域東(ITRA−E)だ。ITRA−Sに向かう艦載機の数の多さが目立つ。
また、対地攻撃訓練などを行う567AREA(主に陸上に設定されている)は、海兵隊期の使用が多いが、艦載機はあまり使用していない。

(RIMPEACE共同代表・岩国市議 田村 順玄)


18年4月(25日分)の海兵隊機・艦載機の推定行き先対比


2018-9-24|HOME|