岩国基地所属海兵隊員 広島市内で女性に集団暴行
山口県岩国市の米海兵隊岩国基地に所属する4名の海兵隊員が10月14日未明、広島
市内の繁華街で女性に集団で強姦・暴行を働くという事件が発生した。
事件の詳細はまだ明らかにされていないが、4名の海兵隊員は広島市内の娯楽施設で遊
び、その際に目をつけた女性を乗用車に連れ込み集団で強姦を行った。被害女性は4人から
乱暴をされたのち、現金も取られたと警察に話していると言う。
こうした女性が強姦されたような事件は表沙汰になるケ−スが少なく、ほとんどが泣き
寝入りとなる場合が多いが、今回被害を受けた女性は警察へ被害届けを出しやっと明るみ
に出た。それでも、それは事件から数日後であった。
今回の忌まわしい事件は12年前に沖縄で起こった3名の米兵による少女暴行事件を思い
出させるが、当時は沖縄だけでなく全国の人々に大きな怒りが広がった。8万5千人を越
える宜野湾市海浜公園で行われた抗議集会は沖縄の基地縮小の大きな声として全国に伝わ
った。しかしその後も、米兵の事件・事故は一向に納まらず、岩国など同様の米軍基地で
も度々引き起こされている。
4年前、岩国基地で起こった強姦・致傷事件では米兵の犯人は特定され、日本側での裁
判へも持ち込まれたにも係わらず、被害を受けた女性が法廷での証言を避けたため、犯人
の米兵は実刑を免れている。また1998年夏には、女子中・高校生が米兵らしき男に相
次いで襲われながら、犯人は結局見つからなかった。この種の事件は相当数起きているも
のの、被害者側が泣き寝入りするケ−スが大半で、顕在化するのは稀だ。
岩国市は米軍再編による米軍厚木基地からの艦載機移駐を拒否しているが、これに対し
国は市庁舎建設の補助金35億円をカットするなど卑劣なイジメを続けている。だが、も
し艦載機が移駐してくればさらに米兵の数が増大する。
それに伴ってこの種の事件がより頻発化するのは確実で、地元の岩国市のみならず、被
爆地を冒涜して同基地の米兵が「娯楽と性の受け皿」にしている広島市についても問題は
深刻だ。
こうした米軍基地につきものの米兵犯罪に関する国の認識は甘すぎる。改めて地元住民の
意向をまったく無視して「艦載機の移転」を押しつける政府の姿勢が問われている。
(田村順玄・岩国市議 07.10.22 記)
米海兵隊が駐留する岩国基地のメインゲート (07.10.25 撮影)
'2007-10-25|HOME|