2004年4月〜2005年3月 岩国基地の飛行状況


岩国基地を離陸する航空機の飛行記録をまとめ、10年目を迎えた。95年度以来毎年、1年間の飛行記録を公表しているが、このたび2004年4月から本年3月までのデータ整理が完了したのでその実態を公表した。

2004年度の飛行状況の特徴として、以下の点が指摘できる。

1.全体で600機近く増えている。ハリアーや空軍機が減っているなかで、FA18の1100機という突出した増が目立つ。

2.FA18の3飛行隊の岩国にいなかった期間は延べ6ヶ月、昨年とほとんど変わらない。もう一つ、VMFA112の予備役飛行隊が臨時に展開したが、この飛行隊の飛行機数は約60回で、FA18の昨年比1100プラスには、それほど寄与していない。
とくに飛行機数が多かったのが、海軍の空母艦載機の部隊であるVFA97で、6ヶ月間の合計は959回で、常駐部隊のVMFA212の年間1557機、半年間UDPしていたVMFA(AW)533の528機と比べてきわめて多い。
また、海軍部隊に限らず、昨年度よりも訓練密度が高かったとも言える。年間4714機というのは、過去10年で最高だった99年度の4845機に次ぐ多さだ。

3.FA18の行き先では、LIMA空域が極端に増えている。韓国方面に行った機数も倍になっている。韓国方面に行った346機のうち、3分の一以上が、フォールイーグルの開始直前から終了時までの12日間に集中している。

4.AV8Bの飛行機数は半減した。その原因は岩国展開期間の短さだ。6月中旬から飛行をはじめて、イラクに向かうエセックスに展開するまでの2ヶ月間だけの飛行機数だ。
03年度は、ハリアーの飛行隊は岩国に8〜9か月展開していたから、2ヶ月でその半分が飛んだ、というのは、訓練密度としては非常に高いといえる。
何よりも、この期間の訓練の目的はエセックスに載ってイラクに行くためだった。AV8Bだけは、行き先で567エリアが一番多い。イラクでファルージャなどの殲滅戦にそなえて、ハリアーは対地攻撃訓練を繰り返していたのだ。

5.EA6B、KC130、自衛隊機については、機数としては前年度とあまり変化はない。

6.空軍のチャーターした大型民間輸送機は、03年度とほぼ同数の61機だった。大型の軍用輸送機(C5,C17)は11機が飛来した。

7.空自の輸送機が米軍支援で横田・嘉手納間の輸送を行っているが、岩国に立ち寄ったのは延べ47機だった。


総合的に見た「岩国基地」の動き

 イ AV8Bが直接岩国基地から強襲揚陸艦に載ってイラク戦争に赴いた。その他の岩国基地の部隊は、どちらかといえば朝鮮半島有事に備えた動きをしていた。とくにフォールイーグル演習では、岩国基地の部隊は上陸演習など近接支援の中心となった。

 ウ 海上自衛隊は年間を通じて大きな変化は無かった。

 エ 以上、2004年度の岩国基地を離陸した航空機の飛行記録をもとに検討を試みたが、この記録にはNLP(艦載機の着艦訓練)の飛行回数や、岩国基地周辺での飛行訓練:GCAなどの飛行状況は含まれていない。
   しかし、その他の岩国基地を離陸する航空機はほぼ確実に記録されているものと確信する。添付した各種の記録データーと併せ参考とされたい。

岩国市議・田村順玄


2004年度の動き

  • 2004年度総飛行回数

  • AV8B

  • FA18

  • EA6B

  • KC130

  • 海兵隊機低空飛行実施状況


    なお、2004年度の海兵隊所属機の部隊ごとの岩国駐留状況は以下のグラフのとおり。


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