EA6Bは岩国になぜ展開したか


岩国にやってきたEA6B(コンステレーションの艦載機)



横須賀に7月23日から27日まで入港していた空母コンステレーションには、1個航空

団の艦載機が搭載されていた。艦載機は普通、空母と一緒に行動するが、6月末に岩国に

展開した4機の電子戦機EA6Bは空母が太平洋を越えてくる十数日前に飛来していた。



6月半ばに黄海の「海の38度線」で銃撃戦があった直後に、米軍はこの戦域に航空機を

増派することを発表した。その中に「偵察機」EA6Bが入っていた。EA6Bは「電子

偵察機」と分類されるが、実態はそんなものではない。NATO軍がユーゴを爆撃した時

に、ステルス機以外にはこの電子戦機が同行して、ユーゴ軍の対空ミサイル妨害や、ミサ

イル陣地の破壊を行った。航空攻撃を行う側から見て欠かせないのが、この電子戦機なの

だ。

コソボへの兵力集中のあおりを受けて、空母キティーホークがペルシャ湾に長期の展開を

することになったとき、ペンタゴンは極東の軍事バランスを崩さないという観点から、在

韓米軍基地にF15Eストライク・イーグルとガンシップAC130を派遣した。(イン

ディペンデンスが急遽中東に派遣された時もそうだった)

攻撃力は空母1隻分とそんなに差はない。違っているのは電子戦機の有無だった。厚木に

いるEA6Bはキティーホークに乗ってペルシャ湾にいる。ユーゴ爆撃でイタリアの基地

に大量動員された影響で、海兵隊のEA6Bの岩国基地へのローテーション配備も止まっ

ている。極東地域で電子戦機がゼロとなっていた。いざという時に「限定的な空爆」とい

うオプションがとれるように、空母の艦載機のEA6Bを「偵察機」と名付けて「一足も

二足も早く」岩国に派遣したのだ。

実際、岩国基地をベースにして行ったEA6Bの訓練は、偵察などではない。6月28日

から飛行を開始したEA6Bは、その翌日から低空飛行ルート(イエロー、パープル、オ

レンジなど)を飛びだした。また対地攻撃訓練エリア(567エリア)に向かうものも多

かった。この2つで、訓練の大多数を占めていた。嘉手納基地のフェスティバルに「出品

」された2機編隊も、パープル・ルートをたどって沖縄に向かうという徹底ぶりだった。

派遣されたEA6Bが岩国で行った訓練は、攻撃に直結する訓練だった。

コンステレーションが近くに来た7月9日に、EA6Bは空母の飛行甲板に戻った。その

前の数日、特別な派遣でなければ、他の艦載機とともに米西海岸で行っていたはずのNL

Pを、岩国で行った。今回のEA6B派遣で一番の被害者は、夜間の爆音を浴びせられた

岩国市民だろう。しかし、表面的にはNLPを行うためにやってきたようなEA6Bだが

、状況次第では空爆実施まで進みかねない配備のステップアップだったことを忘れてはな

らないだろう。


岩国基地で行われたNLP

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