オレンジルート直下の住民の証言
−高知沖墜落1周年−
何故そんなことを聞くの?とは一度たりとも言われなかった。
高知沖墜落事故から1年後の2000年1月に高知県安芸郡東洋町を訪れ、米軍機は飛んでいますか、と聞くと、自分たちの体験談をみんな快く話してくれた。
東洋町全体にわたる飛び方は、町役場で聞いた。
「甲浦変電所の上に限らずいろんなコースを飛んでいる。海側から入ってくる場合、川沿いに上っていく。
変電所が攻撃目標となっていると報道された後、町内の8ヵ所で監視員を委嘱した。低空飛行を目撃すると、時間、機数などを記録して役場に報告してもらっている。」(町議会事務局長、総務課長)
町の地図を示しながら説明してくれたものを復元したのが以下の図だ。
目撃された米軍機の飛行ルート
変電所の近くで、何人かにインタビューした。
「(飛行機は)いつも来ている訳ではない。忘れたころに飛んでくる。低空で飛ぶ時は音がすごい」「(海からと山からの)どちらの向きにも飛ぶ。(腕をひねりながら)こんな風に傾きながら飛んで行く」(甲浦郵便局の窓口の方たちの話し。郵便局は甲浦中学校の隣にある)
「海から山へ、その逆方向と両方飛ぶ。2機、3機で来ることもある。自宅の近くの山の畑から低く飛ぶのを見ることもある」(甲浦駅の売店ででボランティア店員をやっている地元婦人会の人たち)
当番の甲浦婦人会の方にもう少し話を聞いた。
「大きな音で怖い。戦争中、徳島にいたが、その時のB29の爆撃を思い出させるから」
「えっ、戦争を知ってるんですか。そんな歳には見えないけれど」
「やーだ、終戦の時は小学生だったんよ。ところで、何でこんな所に米軍機が飛んでくるのかね?」
(いい質問ですね..)「それはね、オレンジルートという低空飛行ルートを米軍が設定していて、それがここの上空を通っているんですよ。新聞に出てたでしょ?」
「アハハ、新聞見なかったな...」
関連記事は高知新聞に大きく出ている。
99年11月5、6日、1頁の半分を使った「高知の空で米軍機は(上下)」は、さすがに迫力がある。
なお第一報は、田村市議が記者発表した翌日の99年9月8日の「米軍機訓練、攻撃目標に甲浦変電所」。
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