木更津オスプレイは低空飛行訓練が出来ない(1)

最低安全高度と陸自オスプレイ


米本土で訓練中の「日の丸オスプレイ」(海兵隊のホームページより)

陸自のオスプレイが木更津基地に配備されようとしている。

防衛省は、陸上自衛隊オスプレイの木更津駐屯地への暫定配備要請について2019年5月に地元自治体(木更津市、千葉県)に説明をした。これに対し、県と木更津市はそれぞれ疑問点などをと りまとめ、防衛省へ照会文書を提出した。

オスプレイの訓練内容についての千葉県の質問に対して防衛省は、「低空飛行訓練については、航空法に基づき、国土交通大臣から許可を得たうえで、木更津飛行場運用規則により定める「房総 低空域飛行訓練場」内で実施することとしており、...」(千葉県に対する回答書の16ページより) と答えている。

ちなみに、航空法第81条(最低安全高度)は

第八十一条 航空機は、離陸又は着陸を行う場合を除いて、地上又は水上の人又は物件の安全及び航空機の安全を考慮して国土交通省令で定める高度以下の高度で飛行してはならない。但し、国土交通大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。

となっている。
国土交通省令で定める高度以下の高度は、航空法施行規則(昭和二十七年運輸省令第五十六号)第百七十四条に定められている。

 法第八十一条の規定による航空機の最低安全高度は、次のとおりとする。
一 有視界飛行方式により飛行する航空機にあつては、飛行中動力装置のみが停止した場合に地上又は水上の人又は物件に危険を及ぼすことなく着陸できる高度及び次の高度のうちいずれか高いもの
イ 人又は家屋の密集している地域の上空にあつては、当該航空機を中心として水平距離六百メートルの範囲内の最も高い障害物の上端から三百メートルの高度
ロ 人又は家屋のない地域及び広い水面の上空にあつては、地上又は水上の人又は物件から百五十メートル以上の距離を保つて飛行することのできる高度
ハ イ及びロに規定する地域以外の地域の上空にあつては、地表面又は水面から百五十メートル以上の高度
二 計器飛行方式により飛行する航空機にあつては、告示で定める高度

なお、この航空法第八十一条の規定は、自衛隊法による適用除外の対象外だ。自衛隊機は「最低安全高度」の規定を守らなければならない。(続く)

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)


千葉県(左)と木更津市(右)に対する2019.10.31付け防衛省回答の表紙


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