自動車運搬船、岩国に向けて米国を出港、陸自オスプレイ輸送か


今年1月前半に、横浜ノースドックに入港した自動車運搬船グリーン・コーヴ(2021.1.6 星野 撮影)


防衛省が1月付けで発表した資料

米国船籍の自動車運搬船グリーン・コーヴが、現地時間1月30日の朝、米西海岸の港ポート・ヒューニーメを出港した。AIS(船舶自動識別装置)の情報によれば、目的地は日本の岩国だ。

 1月5日から7日にかけて横浜NDに滞在したグリーン・コーヴは、9日から10日まで那覇軍港に寄港した後、現地時間1月27日に米国西海岸のサンディエゴに入港し、7時間25分ほど滞在した後、ロングビーチ沖を経て、ポート・ヒューニーメに入港していた。

 ところで、陸自木更津駐屯地に「暫定配備」されるオスプレイ5機の米国からの海上輸送が米国時間1月24日以降に開始されること、そして当該船舶は2月上旬から中旬頃に岩国基地の港湾地区に到着し、オスプレイを陸揚げする予定であることを、1月22日に岩国市が記者発表した。

陸自オスプレイの最初の2機の米国から岩国基地への輸送は、グリーン・コーヴと同型の自動車運搬船グリーン・リッジが昨年4月から5月にかけて行った。しかし、グリーン・リッジは現在、日本時間の1月31日午前の時点でペルシャ湾内を航行中だ。

米空軍オスプレイを米国から横浜まで運んだ自動車運搬船グリーン・レイクは、現時点で米国東海岸を航行している。さらに、米海軍MSCで使用されるもう1隻の同型艦、自動車運搬船グリーン・ベイも、現在、南米からメキシコに向かって航行中のようだ。

グリーン・コーヴが現地時間1月27日に入港したサンディエゴは、ミラマー海兵隊航空基地が近くにあり、隣にはノースアイランド航空基地があるので、オスプレイの積み出しに便利な港だ。昨年4月に陸自オスプレイ2機を米本土から岩国に輸送した自動車運搬船グリーン・リッジも、途中でパールハーバーと那覇に立ち寄ったが、サンディエゴから岩国に向かっている。

つまり、グリーン・コーヴが、今回、陸自オスプレイ5機を岩国に運び込む可能性が非常に高い。もちろん、別の船が密かに岩国を目指して航行している可能性もゼロでは無いが。

 グリーン・コーヴがポート・ヒューニーメを出港した直後のAISの情報によれば、岩国への到着は日本時間2月12日の予定だ。ただし、AISが表示する到着予定日や時刻は変更になることも多く、あくまでも大ざっぱな目安に過ぎない。

 安倍政権が爆買いしてしまった高価な欠陥機オスプレイの「第2陣」の岩国基地への輸送と木更津基地への配備が、コロナウィルス感染拡大が深刻化する中で進められつつあるのだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


1月22日に岩国市が発表した報道資料


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