拡大するオスプレイの定期修理、木更津で(1)

オスプレイによる木更津市民の受難史の始まり

2014年10月に防衛省から米軍オスプレイの修理を、木更津基地の格納庫を使って行わせたい、という申し入れが木更津市にあった。これが防衛省に目を付けられ次々とオスプレイが 木更津に送り込まれてくる、その第一歩だった。

2017年初めに始まった沖縄海兵隊のオスプレイの修理は、最初の一機目のオーバーホールから予定通りには進まず、未だに2機が終わっただけというありさまだが、木更津基地の中に オスプレイがい続ける状態は3年を超えた。民間会社が木更津基地の既存の格納庫を使って米軍オスプレイの修理を続けている。

一機目の修理が完了したのは2019年3月で、続いて2機目の修理が始まったばかりの19年5月、陸自オスプレイの木更津暫定配備の説明に防衛省が木更津市にやってきた。17機の 日の丸オスプレイを、佐賀空港に配備できるようになるまで木更津基地に暫定配備するという。

『陸上自衛隊オスプレイの暫定配備期間は5年以内を目標』という防衛大臣の「腹芸」でもって木更津市長が暫定配備を容認したのは、2019年12月だった。

年が明けて5月に、防衛省が今度は、米軍オスプレイの修理機数の拡大と、木更津基地内にそのための格納庫を2つ新設する、という話を木更津市に持ってきた。

6年足らずの間に、米軍オスプレイと陸自オスプレイの話を交互に持ち出して、オスプレイの修理も実戦配備の地ならしも進められてきた。木更津市民のオスプレイによる受難の歴史が 始まった。考えたくもないことだが、この先に陸自オスプレイの木更津恒久配備の話が出てきても、これまでの防衛省のやり口から見て不思議ではない。

今、防衛省が出してきている、米軍オスプレイの修理の拡大と格納庫の新設は、木更津を日米のオスプレイの拠点として強化していく流れの中に位置づけられる。

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)


2016年10月24日、CH47ヘリとの騒音比較のために木更津基地に飛来した、沖縄米軍のオスプレイ(2016.10.24 頼 撮影)


2020-6-26|HOME|